「分散」「長期投資」こそが最強の投資術
具体的に見てみましょう。次の図は日本株式・外国株式・外国債券・米ドルの1990年1月以降の価格推移です。

これを見ると、米ドルは1990年1月にはおよそ1㌦=144円でしたから、現在は当時よりも円高。日本株式が1990年の高値に現在ではほとんど戻っているように見えるのは、配当を含めて長期投資していると、1990年の高値の水準にほとんど戻っているからです。
このように日本株式だけとか、米ドルだけに投資をしていたとすると、現在でもまだ利益が出ていません。結果論で言うなら1990年当時の日本株や米ドルは「割高だった」のでしょう。
しかし、それが日本株式・外国株式・外国債券の3資産に均等投資したら、どうでしょうか。その答えが次の図になります。

見ての通り、分散投資をしていれば、為替は当時より円高になっているにもかかわらず、全体では大きく資産を増やすことに成功しているのです。
色々な資産に分散投資をすれば、中には割高な資産も出てくるでしょう。それでも適切な分散投資を行い、長期間投資し続けることができれば、実は投資を始めるタイミングを気にしなくても儲けられる。
つまり、投資が成功するかどうかは、「価格」ではなくて、「分散」「長期投資」をできるかが非常に大きいということなのです。
では、前述した2つ目の「疑問」はどうでしょうか。投資とは、特別な人が行う知的ゲームや心理戦なのでしょうか。
極端な例ですが、欧州の財閥であるロスチャイルド家について、次のような逸話があります。