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高校野球で41四死球を記録した試合の「生真面目な球審」はこんな人

皆さん、お疲れ様でした…。

いら立ちを隠せない投手

夏の甲子園の西東京大会で、両軍合わせて41四死球という、記憶にも記録にも残る試合が繰り広げられた。

舞台となったのは7月20日にダイワハウススタジアム八王子で行われた5回戦。8強入りをかけた対戦カードは日大鶴ヶ丘-明大中野八王子。

35度の炎天下、スタンドには両校の応援団、関係者以外にも、ドラフト候補で最速152km/hを誇る日大鶴ヶ丘・勝又温史投手を見ようとスカウトやマスコミが足を運んでいた。

シード校の明大中野八王子を相手に、彼がどんなピッチングをするのか期待が高まったが、試合は初回から大荒れした。

「ボールフォア!」

「ボールフォアッ!」

「ボールフォアッッ!!」

何度、このかけ声が響いただろうか。明大中野八王子は、1年生の投手を登板させるも1回表に連続四球で押し出しを許してしまう。

1回裏、勝又選手を温存した日大鶴ヶ丘は先発投手と2番手が2人つづけて3者連続四死球を出した。

1イニング目だけで四球の数は計12個。一般的な高校野球の審判なら、明らかにストライクという球が何度もボール判定されていく。ストライクゾーンが極端に狭いのだ。

両校の選手は、なかなかストライクをもらえずいら立ちを隠せない。ある投手は、なんとか打者を抑えると、やり場のない感情を爆発させるかのように雄叫びを上げた。

あまりに厳しい判定にスカウトが苦笑いを浮かべる場面も。四死球乱発試合に呆れたのか、途中で席を立つ観客さえいた。そんな中、球審は焦る素振りも見せず淡々と自らの仕事に徹した。

 

6回裏からは、エース・勝又が登場。彼もまた4度の四球で苦しんだが、それでも150km/hを超える速球で緩んだ球場の空気を引き締めた。

結局、日大鶴ヶ丘が19対15で制し、4時間を超すロングゲームの幕は閉じた。両軍合計41四死球。甲子園大会の1試合最多四死球31個を大きく上回る数字だ。

もちろんプロ野球や大リーグを調べてみても、これを超える記録はない。ちなみに、日大鶴ヶ丘は7月23日の次戦では、合計で1四球しか出さなかった。