「汗は拭きすぎてはいけない」猛暑を安く・快適に過ごす100の知恵

スポーツドリンクは凍らせるな
週刊現代 プロフィール

高血圧の人が注意すべきは

夏場は清潔感を保つために入浴が欠かせない。前出の五味氏が言う。

(68)夏でもシャワーだけでなく湯船に浸かったほうがいい。風呂に入ると体温が上がり、眠りに入りやすくなる。(69)ポイントは眠る約1時間前に入浴すること。

そして、その後、(70)すぐに身体を冷やさない。団扇で扇いだり、扇風機にあたることはいいですが、急に24℃ほどのエアコンが効いた部屋へ入ると皮膚温が急激に下がってしまい汗が出ない。体内に熱が籠もっている状態で、眠りにくくなる。

(71)風呂から上がったら、猛暑の日はエアコンを使いつつも、時間をかけて汗を自然蒸発させて体温を平熱に戻せば、眠りにつきやすくなります」

(72)眠る前にも約200ccの水分補給を忘れないこと。前述したとおり、こまめに飲めばトイレは近くならない。

睡眠中のエアコンの利用法について、前出の三宅氏はこう助言する。

(73)少しずつ設定温度を上げていきます。眠る1時間前にエアコンの設定を25℃にして、寝室を冷やす。寝る直前は27℃にする。また、夜中にトイレなどで目覚めたら、28℃にするといい。(74)タイマー機能は使わないほうが熟睡できると思います」

前出のエアコンの専門家・北原氏は高度なテクニックを伝授する。

「就寝時は、(75)エアコンの風を、扇風機を使って寝室の壁に沿わせてくるくる回します。まずエアコンの風を上向きかつエアコンに近いほうの横の壁に向けます。

そして扇風機は、エアコンの対角線上に部屋の隅に置き、こちらも壁を登って部屋を一周するように風を送り出します。

そうすることで、風が円を描くように寝室の天井に近い壁を流れていき、部屋全体が冷気のベールに包み込まれるような感じになります。

(76)扇風機がもう1台あれば、エアコンの下に置いて、エアコンの風と同じ方向で上向きにしてください。そうすれば完璧なベールができます。

寝るときに、もし(77)扇風機しかないような場合には、窓を開けて風通しを良くしたうえで、吸い込み側(裏側)を自分のほうに向けるんです。そうすると、体にまとわりついた熱気や湿気を裏側から吸い込んでくれます」

 

生活習慣病など持病がある人は特に熱中症に注意する必要がある。前出の池上氏が語る。

「糖尿病の方は普段から尿が多く出やすいうえ、高温下におかれると、さらに血液が濃縮されて血糖値が上がってしまいます。(78)糖尿病の方は少しずつでもこまめに水を飲む。汗をかいた場合は、糖分の少ない『経口補水液』を摂取してください。

(79)脂質異常症の方も、血液がドロドロしやすいので、水での水分補給を心が得てください。

(80)肥満の方は、熱の発生が大きく、かつ脂肪が熱を閉じ込めてしまいます。毎日の入浴や早朝のウォーキングによって新陳代謝を良くし、汗をかける身体にすることが一番良いですね。

(81)高血圧の方は、塩分を過剰に摂取してはいけない。汗をたくさんかいた場合でも、塩分が少なめの『スポーツドリンク』を摂取してください」

前出の工藤氏も高血圧の人に注意を促す。

「夏場は血圧が下がるで、薬を止めてしまう人がいます。ところが、(82)くも膜下出血の患者さんが急増する日があるんです。

それは暑さが落ち着いて、急に涼しくなった日の朝。血管がギュッと締まり、血圧が急上昇して、血管が破れてしまう。高血圧の方は薬の飲み方に注意してください」

暑さに弱いのは、人間だけではない。日本動物医療センターの獣医師・長沼裕美子氏が語る。

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(83)犬の熱中症が多いです。一方で(84)猫は室内で飼われているので少ないが、エアコンが苦手な子もいる。ちょっと太めで日向ぼっこが好きな子や水をあまり飲まない子は注意が必要です。

夕方になって涼しくなったから大丈夫かなと散歩に行って、犬が熱中症になるケースが多い。(85)散歩の途中で背中に直線を書くように水をかけてあげると予防になります。

身体を触って熱い場合は、応急処置として、(86)水に濡らしたタオルなどで体を被うこと。(87)布で保冷剤を包んで、首に巻いてあげるのもいい。特に(88)パグやフレンチブルドッグ、チワワのような鼻の短い犬(短頭種)は熱中症になりやすい。

室内での対策はやはりエアコン。エアコンをつけずに過ごすと人間より先に犬が熱中症になるケースがあります。犬は汗をかけず、熱を外に逃がしにくいのです。

また(89)人感センサーはペットを感知しない可能性がありますので、風向きの幅を広めに設定してください」