「汗は拭きすぎてはいけない」猛暑を安く・快適に過ごす100の知恵

スポーツドリンクは凍らせるな
週刊現代 プロフィール

味噌汁で塩分補給

日本古来の工夫も取り入れたほうがいい。

「湿度が高くない日であれば、打ち水にも効果はある。風上だとなおさらいい。(26)室外機の周りへの打ち水も効果があると思います」(北原氏)

室内の湿気が不快な場合は、(27)フローリングやカーペットの上でもゴザを敷くといい。い草は吸湿性・放湿性に優れているので、サラリとした肌触りで快適に過ごせる。

ほかには(28)カーテンよりも、窓の外に「よしず」や「すだれ」を設置したほうが、遮熱効果が高いというワザもある。

「1階がリビング、2階が日中に人のいない寝室の家では、(29)日中は2階のカーテンも閉めておいたほうがいい。日中に日差しが室内に入ると、夜になっても熱がこもった状態のままで、エアコンをつけても壁や床からの熱が残ります。

暖かい空気は上に行くという性質から、(30)2階より1階のほうが涼しい。真夏だけは1階で寝るという手段もあります」(北原氏)

 

真夏の体調管理、特に熱中症対策で重要なのが、水分補給である。一般的に摂取すべき水の温度は、常温(15~25℃)が身体に良いと言われている。

だが、真夏の猛暑の日は別だ。熱中症の予防に詳しい横浜国立大学の田中英登教授(スポーツ生理学)が指摘する。

(31)真夏の環境下では、水温は低い温度のほうが吸収率は良いとされており、そのため、(32)飲みやすさの点からも水温5~15℃の水分補給が望ましいと言えます」

(33)冷蔵庫の設定温度は1~5℃なので、冷やしすぎた場合は、短時間でも室内に一度置いてから飲んだほうがいい。

では、水分補給の適量はどれくらいなのか。くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋氏が解説する。

「(34)500ccを1時間かけて飲むといい。最初は1~2口、次は3~4口、そうやってゆっくり飲み切ることが一番。渇きを感じたらまた同じペースで500cc飲む。

それで(35)だいたい1日2000cc。シニアならば1500ccくらい。1~2口分の水分は、1~2分間でその約8割が腸で吸収されます。

しかし、500ccをガブ飲みした場合、胃液が薄くなって吸収は6割ぐらいになり、残りは尿として出てしまう。つまり(36)小分けにして飲めばトイレも近くなりません

次に何を飲めばいいのか。(37)クーラーの効いた室内にいる場合は、水で十分である。(38)普段より汗をたくさんかいたときに塩分が含まれるスポーツドリンクを飲むといい。

スポーツドリンクは市販品でなくても、自前で作ることもできる。汗の専門医として知られる五味クリニック院長・五味常明氏が言う。

「塩分を入れた水でも有効です。(39)1Lの水に2gの塩と砂糖5gを入れて飲む。糖分があるとミネラルを吸収しやすくなります。ただし(40)スポーツドリンクを水代わりに飲んでいると糖分や塩分の摂りすぎで、疾病リスクが高まります」

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なお(41)スポーツドリンクは凍らせないこと。糖分は凍りにくく、溶けやすい。そのためすべて溶け切る前に飲むと、甘すぎるうえ、成分をバランス良く摂取できない。

そもそも(42)3食きっちり食べていれば、それだけで必要な塩分は摂れている。外出して屋外を歩いた後は、(43)ランチでは味噌汁を飲めばいい。

「味噌汁は塩分がほどよく入っており、タンパク質も摂れます。(44)暑くて味噌汁を飲みたくないときは、冷や汁がいいですね。胡麻も入っているので栄養は豊富です」(管理栄養士・麻生れいみ氏)

前出の田中氏も言う。

(45)予防のために日頃から経口補水液を飲んでいる人がいますが、これは間違い。経口補水液は脱水症状のおそれがある場合の水分補給用ですので、普段は摂らないほうがいい。逆に塩分の摂りすぎになります」

田中氏は意外な飲み物をお薦めする。

(46)炭酸飲料は、腸での吸収率が良いのです。ただし、糖分が多すぎると、胃から腸への水分の移動が悪くなりますので、少なくとも糖分が低い炭酸水が有効です」

(47)緑茶(48)アイスコーヒーはカフェインが多く含まれており、利尿作用があるため、水分補給には適さない。ノンカフェインでミネラルが豊富な(49)麦茶のほうが熱中症対策になる。