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「汗は拭きすぎてはいけない」猛暑を安く・快適に過ごす100の知恵

スポーツドリンクは凍らせるな

7月中旬の1週間に救急搬送された熱中症患者は全国で2万人を超えた。気象庁が宣言したとおり、この今夏の暑さは「災害」のレベル。ならば、対抗策の知識と情報を得て、自衛するほかない――。

エアコンの風量は「強」

8月になっても、猛暑は続く。そこで本誌は暑さに打ち勝ち、涼しく過ごすためのテクニックを各分野の賢人たちに聞いた。さっそく紹介しよう。

まずはエアコンの活用法から。元ダイキン環境研究所の技術顧問で、トータルシステム研究所所長の北原博幸氏が語る。

「一般に推奨されている(1)28℃の設定にこだわるのではなく、自分が心地よいと思える温度に設定したほうがいい

多くのルームエアコンは室内機に温度センサーがついています。ですから、必ずしも設定温度が室内全体の温度になるとはかぎらないんです。目安が欲しい場合は、(2)自分で室内温度計を用意するといいでしょう」

東京電力勤務を経て、現在はTSAエンタープライズ代表を務める一級建築士・工学博士の西郷徹也氏もこう言う。

(3)体感で我慢できる温度というのは実は27℃ぐらい。しかも体感温度というのは、エアコンの設定温度と一致しません。簡単に言うと、壁の温度と設定温度を足して2で割ったぐらいが体感温度と同等です。断熱性の低い家だと壁が熱くなる。

あくまで目安ですが、(4)設定温度は28℃ではなく、26℃がいいんじゃないでしょうか」

 

エアコンの風の強さはどう設定すればいいのか。北原氏は、外気温が高いときは(5)「自動」に固定せずに、「強」を活用すべきとアドバイスする。

「自動運転では風量が足りないと感じることも多いと思います。同じ設定温度なら風量は強いほうが効率よく冷えて、風量の差はほとんど電気代に影響しません。

(6)35℃以上の日には、同じ設定温度で冷やすのであれば、風量が大きいほどトータルの消費電力は小さくなることもあります。

逆に外気温がさほど高くなく、湿気がある場合は、(7)風量を絞ったほうが湿気が取れます

また冷房を入れると、室内で足元だけが冷えるということがよくある。

「その場合は、吹出口の羽をできるだけ上向きにして風量を強くする。(8)強い風量によって、部屋の中の空気が攪拌されます(北原氏)

「除湿」モードは冷房に比べて、省エネになると思っている人も多いだろうが、それは間違い。

「たとえば除湿で26℃に設定すると、湿度を下げるために、いったん温度を23~24℃まで下げてから、26℃に戻します。そのため(9)除湿は冷房よりも余計に電力がかかる。

また、(10)30分程度の外出ならばエアコンは付けっ放しのほうが省エネです。スイッチを入れたときはフルパワーで動き始めるので電力を多く使うんです」(西郷氏)