2018.09.11
# 環境 # 植物学

3.11の放射性物質は農作物に入ったのか? 農業は復興できたのか?

放射能汚染の「その後」(後編)
雨宮 崇 プロフィール
除染で取り除かれた土除染で取り除かれた土 Photo by Getty Images

農産物の放射能濃度をコントロールする

1960年代をピークにして世界中で行われていた大気圏核実験由来の放射性物質は、日本の農地にも降り注いでいます。

その放射性物質が玄米にどの程度移行するか、という調査が長期的に続けられており、その結果、玄米の移行係数は大きくても0.1程度だということが確認されました。

(1960年代に0.1という値が測定された背景には、土壌からの移行だけではなく、放射性セシウムが稲に直接付着したことによるところが大きいとも考えられています。)

水稲玄米の移行係数の推移(農環研)玄米の移行係数の推移(農環研)

「移行係数が0.1」ということは、「土壌の放射性物質濃度の約10%が植物の放射性物質濃度になる」ということです。

玄米の放射性セシウム濃度が想定より高くなった理由は?

移行係数が0.1という前提をもとに、2011年4月8日に原子力対策本部から「玄米中の放射性セシウムが暫定規制値(500Bq/kg)以下となる土壌中の放射性セシウム濃度の上限値を5000Bq/kgとする」という作付制限が発令されました。

そこで、福島県では水田土壌が調査され、作付制限にかからない田んぼで米が生産されました。

しかしそれにもかかわらず、2011年当時、暫定基準値を超過する米袋が0.2%出てしまいました。

2011年度の福島県産玄米の放射性セシウム濃度2011年度の福島県産玄米の放射性セシウム濃度(農林水産省,2012)

この原因を解明するために、基準値を超過した玄米が検出された福島県内地域で調査が行われました。

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