とうとう国際決済銀行までダメ出しした「ブロックチェーンの欠陥」

あまりにピント外れな野田大臣事件
宿輪 純一 プロフィール

フィンテック全体でも問題

さらには仮想通貨を超えた「フィンテック」全体でも問題が散見されている。ネット経由で融資を仲介するソーシャルレンディングにおいて、いくつかの業者が行政処分(業務改善命令)を受けてきたが、最大手のmaneoマーケットまでも処分を受けた。

募集時の説明と異なる目的に流用されたのを見過ごすなど、管理体制に重大な不備があったため。流用額は少なくとも10億円以上で、焦げ付くおそれがあるということである。

フィンテックのなど新しい金融サービスは新たな担い手が登場している。ただ仮想通貨交換業者と同様、急激な市場の拡大に体制整備が追いついておらず、ずさんな運営実態も明らかになっている。当局も無理な拡大から、金融庁のように法に照らした対応を強化している。

 

筆者は新刊『決済インフラ入門2020年版』(東洋経済新報社)にも書いたが、金融にはどんなときにも守らなければならない2つの大原則があると考えている。

それは、善と悪を区別する視点(犯罪防止)とプロとアマチュアを区別する視点(利用者保護)である。

さらにいえば、今後の決済インフラをはじめとした金融の方向は、電子化・集中化・規制強化と考えている。

これは今までのフィンテック強化の流れと相容れるとは限らない。最近の決済インフラの改革の潮流は、銀行誕生以来の変革を金融機関にせまっている。

銀行を始めとした金融機関が近未来には業態転換が図られれると考えている。いうまでもないが、銀行自体も決済インフラである。

このようなフィンテックをはじめ、仮想通貨・ブロックチェーンに対する取り締まりが強まっている中で、野田総務大臣が仮想通貨に関する問題を起こしたのは残念である。逆に、金融庁は「圧力」にも関わらず、強硬に法を守った。これは素晴らしい対応であったと考える。