とうとう国際決済銀行までダメ出しした「ブロックチェーンの欠陥」

あまりにピント外れな野田大臣事件
宿輪 純一 プロフィール

指摘があったのは報告書の第5章。ビットコインを例に挙げ、その仕組みを具体的に解説し、仮想通貨の欠陥、特にブロックチェーンを用いた分散台帳の欠点がはっきりと書かれている。

このような説明がBISから出たということ、そしてその厳しい論調に筆者も驚いた。
 
中央型(一元集中管理型クライアントサーバー)システムに比べ、ブロックチェーンを用いた分散型(分散台帳)は、遅い、効率が悪い、スケーラブルではない(データ量が増えると機能しなくなる、大量の処理でネットワークの混雑が発生する等)、莫大なエネルギー(電力)を消費する(多数のコンピュータを用いて演算を延々と行うために膨大なコンピュータの演算能力を消費するため)といった特徴がある。

金融取引などの処理や記録にこれを応用したシステムを導入すると、決して「安い、速い」になるはずがなく、「運営費用が高く、莫大な電力を消費し、遅い」になるわけである。さらに、BISの年次報告書では中央銀行デジタル通貨についてもかなり否定的な評論をしている。
 
このBISの年次報告書におけるブロックチェーンに対する評価の持つ意味は、非常に大きい。日本では、ブロックチェーンで送金が早く、安く(いつもだいたい1/10)可能になるとかという方がいたし、記事も見てきた。

現在、決済を始めとした金融取引にはブロックチェーンは向いていない、といわれている。まだ使える余地があるとしても、たまにデータを書き換える不動産の登記簿などぐらいとみられている。

 

きびしい仮想通貨業界 

仮想通貨については、日本では交換業者のうち、登録業者が16社あるが、そのうち、トップのビットフライヤーを始めとして7社が金融庁から行政処分として業務改善命令を受けた。

みなし業者も16社あったが、1社はみなし業者から除外され、12社は業務改善命令等を受け撤退した。みなし業者として残っている3社もすべて業務改善命令を受けている。

その厚い売買差益からの収益性の高さから、100社が申請中といわれているが、コインチェック事件から、新規登録は許されていない。最近の金融庁はきちんと強硬に対応している。

そもそも、仮想通貨交換会社は免許制になる予定であったが、政府がフィンテックというものを推進するために登録制になったといわれている。

それは欧州も同様で、ECB(欧州中央銀行)ドラギ総裁も仮想通貨には苦慮している。フィンテック(新産業)の育成という名のもとに犯罪の温床を残すべきかと、日本と同じ問題に直面している。