高田馬場の真ん中に現れた「中国」異色の新ラーメン店に潜入してみた

この国の変化の兆しが見える店
堀井 憲一郎 プロフィール

何の具材か手書きの文字書いてあるが、カタカナが親切についているが、ときどき漢字だけのものがある。中国の略字だ。読めない。読めません。つまりその具材が何物なのかがわからない。

一緒に入った学生が「これ何でしょう」と小袋に入ったつみれ状のものをぶらぶらさせる。見ると略字で示されていて、まったく読めない。

漢字が読めない具材もある

「何かの肉をすりおろしたもんじゃないのか」「何の肉でしょう」「見る限りは魚だとおもうけど」「何の魚ですか」「わかんねえよ」「大丈夫でしょうか」「そりゃ食えるだろうよ。ここにあるんだから」

そういうやりとりをしながら選ぶ。

スーパーでのもとの値段を知っていると、こんな量でえのきが99円だとお、とか、カニかまぼこがこれっぽっちで99円とは何事だ、油揚げがこれっぱかりで99円って近くのスーパーだと5枚で99円だぞ、という余計な主婦感覚を出すと選べません。

野菜を入れないと、とても寂しい見栄えになる、とあとでわかった。つまりそこそこカサのあるものを入れないと、麺ばかりの素ラーメンに見えてしまうのだ。

この小袋を選んでトレーに入れて、奥のカウンター前のお姉さんに渡す。スーパーでのお買い物みたいだ。麺も4種類あるので、それから選ぶ。うどんみたいなのもあるし、ラーメンぽい麺もあるし、見たことないような麺もある。どきどきする。

それを渡すと番号を振った伝票をくれるので、それを持って席に戻って待つ。

 

「砂糖」もトッピングできる

店内の表示も中国語ばかりなので、知ってる漢字を何とか拾い読みして書いてあることを想像する。

「DIY的食材をどうした、って書いてあるぞあそこ、つまり自分らで組み立てるラーメンってことなんだろうな」「こちらの写真は冷やし中華みたいになってますけど、あれはどうやったら出るんでしょうね」「頼むと出るんじゃないのか、でも、それを引き出すまでの言葉のやりとりが気が遠くなるほど面倒そうだから、ちょっとおれは頼む気にはならんけど」、などといいつつ、待つ。

店員も中国人だが、客もほとんど中国人である。でも、ときどき「333円」だとおもって何も知らずに入ってきたんではないかという日本人が入ったとたんに茫然とたたずんでいるので、その人は中国人でないことがわかる。

やがて、番号が呼ばれる。いちおう日本語読みの数字で呼んでくれるので、わかる。これが中国語読みだったらアウトだけれど、高田馬場では今のところそこまで中国式ではない。

丼に入ったラーメンを渡され、すぐ横にある無料トッピングエリアで、おもに辛味などを加える。

トッピングを選べる

麻辣湯だから、辛いラーメンである。辛味が何種類もおいてある。また漢字がよくわからないけど、見るからにめちゃ辛そうなものから、やさしく辛そうなものまで何種類かあり、なぜか「砂糖」もあって、ラーメンに砂糖いれるのか、とか少しどきどきしてしまう。

殻付きのまま煮込んだ味付け玉子が積んである。殻はとても色づいてるけど、殻をむくとけっこう白かったりするから、よくわからない。ここ、日本じゃないから、とおもうしかない。ライスもあって、でも玉子かライスかどっちかを選んで持っていくらしい(気まぐれに説明しているのを、たまたま聞いた)。でも、いつも、どっちかしかないようにおもう。

そういうラーメン店である。