筆者撮影

高田馬場の真ん中に現れた「中国」異色の新ラーメン店に潜入してみた

この国の変化の兆しが見える店

日本っぽくないラーメン店

高田馬場に変わったラーメン店ができている。

高田馬場はラーメン店の激戦区であり、店の入れ替わりが激しい。もう7年ほどその入れ替わりを細かくチェックしているが、今年になって妙な店ができた。ひとつは「張亮麻辣湯」というお店。もうひとつは「沙県小吃」である。

まず店名が読めない。

ここでは日本の漢字で表記しているが、お店の文字は中国の文字で書かれていて、たとえば「張」の字が「张」となっていて、いまは並べて書くと何とかわかるが、店の前でいきなりその文字を見ても、わからない。音に出せない。

張亮麻辣湯の外観

「沙県小吃」のほうは、県の字の下の部分がデザイン化されてぐにっと曲がっていて、最初みたときは「沙具小吃」に見えて、それでググってみれば、県だとわかったという次第。これは無理矢理よめば、サ・ケン・ショウ・キツと音にはできるのだが、でも意味がわからないから、読みにくい(沙県は地名で、小吃はちょっと食べるものつまり軽食っていう意味らしい。わかれば読めなくもない)。

沙県小吃の外観

つまり看板がすでに日本人を拒否している。少なくとも日本人に向けて看板を出していない。

この店が、変わっているのは、ここが日本人向けの店ではない、というところである。

日本語が通じにくいのだ。日本の高田馬場にあるのに。

特に「張亮」のほうがそうで、何人か店員がいるが、すべて中国人で、中国語は通じるが、日本語がまったく話せない店員が何人かいた。日本語で話しかけると、一切言葉を発せずにすべて身振り手振りで逃げながら説明してくれて(逃げないでとおもったが)、「私は日本語が話せないので、日本語の話せる店員に聞いてください、いま、その人がいないのでごめんなさい」という気配だけは伝わってきた。

ここはどこだ。高田馬場だ。

 

よく知らない食材から「具」を選ぶ

この店は、ずいぶん昔にコンタクトレンズ屋さんだったところだ。何年も何の店も開いてなかったところのはずで(私の記憶によるとそうである)、たしか21世紀に入ってからはずっと閉まっていた。前のコンタクトレンズ屋さんで保存液を買った記憶だけがある。

やっと新しい店ができたとおもってたら、日本語が通じにくい店だった。

運良く、よく日本語を喋るお姉さんがいると、彼女の説明が聞ける。

表には「333円」と書いてあるが、333円で食べられるわけではない。中国大陸ではそういう表示をしてもいいのかもしれないけど、日本だと、333円と外に看板に出して、中で333円で食べられないのは、いけないとおもう(さっき見てきたら、333円という数字は見えにくくしてあった)。

333円は基本のスープと麺の料金で、それだと素のラーメンの状態で、それだけでは売ってくれない(そうなんだとおもうが、そういう細かいことを聞ける言語状況ではない)。99円のトッピングを3つ以上選んで、それがもっとも安いラーメンである。合計630円で税金がついて680円。まあ、ちょっと安いくらいのラーメンである。そう書きなさいっての。

具材を3つ選んでください、と言われて、じゃあメニューをみて選ぶのかとおもったら、違う。奥の壁に具材が入った小さいトレー(文房具を入れるような網型の細長いトレー)が並んでいて、そこにずらっと具材が入っているのだ。

具材を選べる

野菜から、肉類、きのこ、豆腐、麺まである(麺はデフォルトについているのだが、それにまだ麺を足すことができるのだ)。それぞれが透明な小袋に入れられて、そのトレーにたくさん入っている。中には少なくなっていたり、人気なのか、すでにない具材もある。