医者の間では常識だった…大調査「かかりやすい病気」は職業で決まる

認知症の危険度ナンバーワンは教師?
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パイロットは早死にする

加えて、最近話題の受動喫煙で、飲食店に勤務する人はタバコの煙に晒されている。そのために肺がんになる人が多いと考えられる。

「管理職も、工場労働者に比べてがんの死亡率が高くなっています。日本の管理職は、海外に比べると待遇もよくなく、総数も減っているため、以前よりも数多くの部下を見なくてはなりません。それが労働環境を悪化させているのでしょう。

がんの種類別に職業を見ても、それほど大きな差はありません。胃がんは農林漁業従事者に多いなどのデータはありますが、彼らは小規模零細企業や個人事業主が多く、きちんとした健康診断を受ける時間がないため、がんが見つかりにくいのだと思います」(江口氏)

 

脳疾患と心疾患を対象にして、同様の調査を国立国際医療研究センターの和田耕治氏が中心となって江口氏らと行った。それによると、介護職員や飲食店員、看護助手などのサービス職が脳疾患や心疾患で亡くなるリスクが高かったという。

虎ノ門・日比谷クリニック院長の大和宣介氏は定年後、脳梗塞になりやすい別の職業を挙げる。

「中高年で血圧が高いのに、それを放置していると『ラクナ梗塞』の存在が際立ってきます。脳の細い動脈が高血圧で詰まり、脳の深部に小さな梗塞ができる。すぐに症状は出ませんが、徐々に進行し、高齢になると脳梗塞の症状が出てきます。

大きな要因は心因性のものです。常に時間とノルマに追われる職業で、さらにタバコを吸い、酒を飲むような人はリスクが高いですね。なかでも配送ドライバーやテレビの制作会社、編集プロダクション勤務などは脳梗塞になる人が多い」

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定年後、心筋梗塞になりやすい人の特徴も、やはり心労の多さにある。西小山脳神経外科・整形外科院長の宇佐美信乃氏は意外な職業を挙げた。

「長時間、集中を要する仕事は、退職後も要注意です。とくにパイロットの平均余命は短いと言われていて、退職後、60代で心筋梗塞によって亡くなる方も多い。

着陸時に緊張が高まり、血圧が上がる。結果、血流障害となって、心筋梗塞の原因となるのです。また、脳外科医も早死にすると言われています。脳の手術は夜通し続くことも多く、常に緊張を強いられているからです」