Photo by Getty Images

大手メディアが軒並み読み間違う、トランプ政権「次の一手」

インサイド情報は報道とは真逆だった

報道は「インサイド情報」と真逆…混迷の米事情

米ブルームバーグ通信は7月31日夜(日本時間8月1日未明)、米国と中国は全面的な貿易戦争の回避を目指し、交渉再開を模索している、と報じた。

同通信によれば、スティーブン・ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相の各代理が非公開協議を行い、正式な交渉を再開する方法を探っており、具体的な日程や議題、協議の形式はまだ固まっていないものの、さらなる交渉が必要との点でムニューシン、劉鶴両氏は一致しているというのである。

だが筆者は、米国人金融関係者の友人が奇しくも同日夜にホワイトハウスの国家経済会議(NEC。ラリー・クドロー委員長)幹部から米中貿易戦争の見通しについて受けたブリーフィングの内容を聞かされていた。

[写真]対中強硬派の一翼を担うラリー・クドロー氏(Photo by GettyImages)対中強硬派の一翼を担うラリー・クドロー氏(Photo by GettyImages)

それはブルームバーグ通信報道と真逆の内容であった。

まず、クドローNEC委員長(経済担当大統領補佐官)である。7月29日のCNNテレビの人気番組「State of the Union」に出演したクドロー大統領補佐官は米中の関税報復合戦について、次のように語っていた。

トランプ政権入りする前のテレビMC(アンカーマン)時代に「関税は増税と同じ」と批判していたことを質されると、「関税は正しい目的があれば良いことだ。その例が中国である」と開き直った上で、この間の欧州連合(EU)の対応を評価する一方で、世界の貿易枠組みが瓦解したのは国際ルールを無視した中国に責任がある、と断じたのだ。

 

ボスのクドロー氏が「中国悪者」論者である以上、部下のNEC幹部が米中高官協議再開を言い募るのは難しいのは当然である。加えて、現在のトランプ政権内で対中通商・貿易政策に関して発言力があるのはクドロー氏、ピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)、そしてロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表の「対中強硬派トリオ」であることも無視できまい。

案の定、ドナルド・トランプ大統領は8月1日、さらなる対中エスカレート策を打ち出した。2000億ドル分(約22兆円)の家具、コンピューター部品、農産加工品など中国製輸入品の関税率を10%から25%に引き上げるようライトハイザーUSTR代表に指示したのだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら