銀行で投信を買うとマジで損するのか聞いたら…銀行の「意外な答え」

金融庁は2人に1人が損すると言うが
週刊現代 プロフィール

各種投資セミナーでは「銀行を信じるな」という言葉が格言となるほど、銀行窓口で販売される投信の運用成績は悪い。これはマーケットのプロのあいだでは常識だ。

だが、普通の素人はそんなことは知らないはず。金融規制改革を進める金融庁が調査したことで、事態が明るみに出た。

答えた銀行、答えなかった銀行

この調査は主要行9行と地銀20行を対象に実施された。いずれも銀行窓口で投信を購入した人の購入時点での評価額と、今年3月末時点での評価額を比べ、手数料などのコストも加味して、顧客の実質的な利益を算出した結果、46%が損をしていることがわかったのだ。

下の図(右下)が、合計29行の全顧客の損益を表したグラフである。なかには50%以上得をした人も6%はいるが、50%より多い損を出した人も1%ほどいる。本誌は、金融庁調査の対象となったと思われる主要行9行に取材を申し込んだ。それが下の表(左下)だ。三井住友銀行など5行は、プラスになった(得した)顧客の割合とマイナスになった(損した)顧客の割合を開示したが、他の銀行は無回答だった。

金融庁調査の結果によると、地方銀行20行も含めれば、損失を出している顧客が6割以上に上る銀行は10行もあり、7割以上の銀行も1行あった。

リターンに見合わないハイリスクの商品を売っている銀行もあり、金融庁の発表資料にもこんな辛辣な言葉が並んだ。

「預り残高上位20銘柄のうち設定後5年以上の投資信託について、コスト・リターンを検証したところ、両者に明瞭な関係が認められず、コストに見合ったリターンは必ずしも実現していない」

 

つまりリターンに見合わない、高い手数料を取っているということだ。

「今の銀行のおかれた環境が大きく影響している」というのは、HCアセットマネジメントの森本紀行氏である。

「法人融資は低迷したままです。また黒田(東彦)日銀総裁が実施したマイナス金利政策で、銀行は金利での利ザヤを稼げなくなっています。

そうした中で銀行の経営を支える主要な収益源は、投資信託や保険を販売することで得られる手数料となった。だから銀行は運用成績の良好な投信よりも、手数料の高い投信を売ろうとするのです」

銀行で売られているのは販売手数料が2~3%かつ、運用管理手数料(信託報酬)が年率1.5%程度の高コスト投信がほとんどだ。仮に1000万円を投資すると、のっけから30万円の販売手数料をとられ、しかも毎年15万円が手数料として消えていく。

初年度に4.55%の高利益が出たところで、それでようやくトントンの計算である。こんな資産運用は理にかなっているはずがない。