巨大惑星「木星」は衛星もすごい! 新たに12個発見、合計は? 

1kmのミニ衛星も、「逆走」衛星も
エミリアーノ・ロドリゲス・メガ

ウィリアムズ氏は、「これまでの観測が不充分だっただけなのです」と語る。同氏は、今回発見された衛星の軌道確認作業に参加した。

逆行する「変わり者」衛星

研究チームは今回発見された衛星の1つを、その軌道の奇妙さから「変わり者」と呼んでいる。

シェパード氏のガールフレンドがこの衛星を「ウァレトゥード」と命名することを発案した。ウァレトゥードはローマ神話の神ユピテルのひ孫娘(訳注:木星を意味する英語Jupiterはユピテルに由来)。

ウァレトゥードは、木星から遠い軌道をとる外側の衛星群にある。この衛星群は木星の自転と逆向きに公転しているが、ウァレトゥードの公転方向は木星の自転と同じであり、他の衛星に対して逆行している。

シェパード氏は「この衛星はハイウェイを逆走しているのです」としている。

ウァレトゥードのような衛星は木星の形成直後に現れたと考えられている。かつて木星は掃除機のように周囲のあらゆる物質を吸い込んでいたはずであり、そうした物質の一部が衛星になったとみられる。

「こうした衛星で驚かされるのは、それが木星を形成した物質の名残である、という点です」(シェパード氏)

今回の衛星の発見と確認は、チリ、ハワイ、アリゾナ州の望遠鏡を使っておこなわれた。

他の惑星の衛星の数は

最初に木星の衛星を発見したのはガリレオだ。彼は1610年に、特に大きいイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという4個の衛星を発見した。

木星とその代表的な衛星、イオ、エウロパ、ガニメテ、タイタン木星とその代表的な衛星、イオ、エウロパ、ガニメテ、タイタン Photo by Getty Images

木星の既知の衛星数は、今回の発見で79個となったが、これには数年にわたり観測されていない8個の衛星も含まれている。

土星には木星についで多い61個の衛星があり、27個の天王星、14個の海王星と続く。火星には2個、地球には1個の衛星があり、水星と金星には衛星が存在しない。

(アメリカ・ニューヨーク発AP 翻訳/熊谷玲美)