高速で大渋滞! 「15kmで10分差がつく」車線はこっちだ!

最新研究で解明!「渋滞学」の極意
堀川 晃菜 プロフィール

これについて西成氏は「ほとんど無意味」と断言した。

「第一走行車線だけを走る車と、隙あらばどの車線でもいいので車線変更する車で実験をしたことがありますが、15km以上の渋滞だと10分以上の差をつけて、第一走行車線だけを走った車が勝ちました!

変に車線変更するよりも、混んできたら左側を走っているほうがいいと思いますよ」

どうも私たちの心は「隣の芝は青い」心理で、周囲の車のほうが速く思えてしまうようだ。

しかし、渋滞は「Stop and go wave」と言われるように、どんな車も止まって動いての繰り返し。そのタイミングが違うだけなのだ。

無駄に車線変更をしても、神経と燃費を使うだけで何一つ良いことはなさそうだ。

 “ちょっとだけ無理する” が理想的?

渋滞に悩まされる一方で、「それなりに混んでいても、速度はそこまで落ちていない」という時もある。

普段よりも車間距離が詰まっている中で、ちょっと頑張って運転しているような状態だ。

「自動運転では、あえてこの状態を目指します。我々ドライバーにとっては、緊張感が続きますし、無理のしすぎが渋滞を招くので、望ましくないのですが、物流という視点からみれば、交通量と速度が両立できた“いいアンバイ”というわけです」

高速道路「それなりに混んでいる」が理想だが… Photo by Getty Images

しかし自動運転技術で、この“ちょっと不安定な状態”を安定的に維持できるようになるのは、まだ先の話。

前編でもお伝えした通り、現時点では「車間距離40m」を下回らないように努めることが大切だ。

「車間距離を詰めると、すぐに渋滞が伝わりやすくなりますが、適切な車間距離があれば、ちょっと減速したぐらいでは互いにブレーキの影響を受けずに済みます。

割り込まれたくないからといって、前の車にピッタリ走るのではなく、なるべく40mは確保したほうが良いです。それをみんなで分かち合うほうが、結果的には、みんなが早く着きます」

この“分かち合う”という仲間意識は、単なるきれいごとではない。

未来の車社会において、大きなカギを握ると思われるのが「集合知」(集団的知性)だ。

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