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あの『渋滞学』著者が伝授「最新・渋滞箇所ワースト3」とその原因

自然渋滞が起こる場所の意外な共通点!
いよいよ、夏の帰省ラッシュが始まる。わかっているけれど車で移動するしかない私たちの願いは1つ、「少しでも快適に目的地までたどり着きたい」!

そこで「渋滞学」の第一人者である東京大学の西成活裕氏に、実践的なアドバイスや最新の渋滞研究の成果について話を聞いた。

連続インタビューの前編では、高速道路における最大の渋滞原因である「自然渋滞」の謎に迫る。

渋滞ワースト3・その共通点は

まずさっそく、西成氏自身も日ごろ運転している東日本の高速道路において、渋滞スポット「ワースト3」を挙げてもらった。

渋滞ワースト3

まさに定番スポットが名を連ねている。そして、このワースト3に共通しているのが、ズバリ「サグ部」と呼ばれる緩やかな坂だ。

サグ(sag)とは英語で「たわむ」という意味で、サグ部は「下り坂から上り坂にさしかかる凹部」を指す。フラットな状態からの坂道(上り坂)とは区別されている。

「サグはV字型なので通常の上り坂よりもタチが悪いのです。ゆるやかな下り坂を快適に走った後に、グっと上がるので相対的な角度は高くなります」(西成氏、以下同)。

「花園ICは渋滞の起点が分かりづらいのですが、荒川にかかる花園大橋の部分が少し盛り上がっていて、橋の上を起点に渋滞してしまいます。関越道の上りを走るときは、荒川に近づいたら減速に注意が必要です。

小仏、大和トンネルはサグ部であることに加え、トンネルの閉塞感による心理的な影響からも、減速しやくなります」

事実、NEXO東日本が発表している2016年の渋滞発生の原因は、74%が交通集中渋滞で、このうち「上り坂およびサグ部」は57%(全体の約40%)を占めている。

約10年前はどうだったかというと、2005年度の同データが西成氏の著書『渋滞学』にも掲載されているが、当時の「上り坂及びサグ部」の割合は全体の35%だった。

「10年前は料金所の渋滞がダントツでした。ですがETCの普及で、料金所の渋滞はほとんど解消されました。

また、車の安全装備が充実してきたこともあり、事故渋滞も減っています。こうして、相対的にサグ渋滞の割合が増えています

渋滞発生の原因
  NEXO東日本 渋滞発生の原因(https://www.e-nexco.co.jp/activity/safety/detail_07.html)より

渋滞しにくいのは東名か、新東名か

道路上には「坂道●%」という標識があるが、例えば4%の坂道は、100m進んだら4m上がる坂だ。

坂の角度は、パーセント表示に0.57をかけた値になるので、ざっくり半分の値だとすると、4%なら約2度となる。この程度の坂道であれば、運転していても普通は気づかない。

この“気づかない”ことが最大の問題だと西成氏は話す。