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史上空前のDNA調査で見つかった「学業達成度に関する遺伝子」

110万人分のデータから分かったこと

史上空前の大規模なDNA解析調査によって、人の学業達成度に関係する1200箇所以上の遺伝子が発見された。

https://www.nature.com/articles/s41588-018-0147-3

これまで、いわゆる「双子調査」などから、(最終学歴など)学業達成度は(家庭環境などと並んで)遺伝的要因に左右されると見られていたが、それに関する多数の遺伝子が判明したのは、今回が初めてとなる。

が、こうした研究成果に対しては「(危険な)優性思想の復活につながる」との懸念も囁かれている。

110万人分のDNAデータを解析

今回の研究を実施したのは、米国のミネソタ大学やコロラド大学等の共同チーム。

彼らは2011年頃から(他の科学者らによって)収集され始めた米英2ヵ国約74万人分のDNAデータ(=ゲノム)と、米国の遺伝子検査会社23andMeから(ユーザーの同意を得て)提供された約36万人分のDNAデータを足し合わせた。

ここから得られた約110万人分に上るDNAデータを「GWAS(全ゲノム関連解析)」と呼ばれる手法で解析し、それによって「学業達成度(Educational Attainment)」に関連する1271箇所のSNPを見つけ出した(ただし今回の調査対象となったのは全て欧州系の先祖を持つ人のDNAデータで、アジア系やアフリカ系などは含まれない。より普遍的な研究成果を導き出すためには、今後、こうした人々のDNAデータも含める必要がある)。

 

ちなみにSNPは「Single Nucleotide Polymorphism(一塩基多型)」の略で、これは人のゲノム(DNA)を構成する約32億個の文字(G、A、C、Tのいずれか)のうち、特定の場所(遺伝学の専門用語では「遺伝子座」と呼ばれる)にある文字(塩基)が人によって異なることだ(図1)。

このSNPは厳密には「遺伝子」と完全に重複する概念ではないが、人間の能力や外見、性格など何らかの形質を生み出すという点では、両者はほぼ同義と考えても、それほど間違っているわけではない。

図1)SNP(Single Nucleotide Polymorphism)とは、ゲノム(DNA)上に見られる、たった一か所の文字(塩基)の違い
出典:https://neuroendoimmune.wordpress.com/2014/03/27/dna-rna-snp-alphabet-soup-or-an-introduction-to-genetics/

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