男と女の裏側を遊泳した美人妻の「期間限定」の冒険

夫との別居がきっかけで…
本橋 信宏 プロフィール

景子はどうしたか。

「大変だったんですよ。60代後半のお客さん、プレイの途中でわたしの上になってしばらく動いてたら、”ううっ”ってうめき声あげて倒れてきたの。もういっちゃったの? しばらくたっても起き上がらないから、顔のぞいたら気を失ってるんですよ。まさか腹上死!?」

すぐに病院に担ぎ込まれたものの、数時間後に死亡した。

ソープやヘルス店では、客が興奮し過ぎて心臓や脳血管がダメージを受けて病院に担ぎ込まれるケースがある。

「身元を示すような運転免許証とか名刺もないし、携帯もないんですよ。こうなると身元不明の行き倒れ扱いになるんですね」

行方不明者の何割かはこのような風俗店での死亡ケースが多いとされる。

倒れた場所が場所だけに、なかなか情報がオープンにならず、いつまでたっても身元不明のままになってしまうのだ。

 

貴男は別

「怖くなってソープは退店しました。常連さんから声をかけられて六本木のハプニングバーで縛りのモデルをやりだしたんです。お店と直接契約して、男性客を呼び込むんです。わたし、縄映え(なわばえ)がいいって誉められたんですよ」

くびれと乳房の曲線美を誇る景子のカラダは、縄の食い込みが白い素肌に映えた。

「そこに出入りしている会員さんのなかに一部上場企業の社長さんがいて、”今度、赤坂に会員制サロン開くから、ぜひのぞいてみてください”って声かけられたんですよ」

まだ離婚届を出していない法的には人妻だということが、このての会員制サロンに集う社長業の男たちを惹きつけた。 

そこは24時間オープン、ピアノが置かれ、ラウンジには男性会員と、ルックス優先した女性会員が集った。気に入られた女性会員は、外で男性会員とデートとなる。あとは大人の男女のことだ。一線を越える場合がほとんどになる。要するに、高級バーと交際クラブをミックスさせたシステムで、この手のサロンは銀座・六本木・赤坂にいくつか存在している。

複数の社長たちにかわいがれる景子。

「社長さんたちだから、1回つきあうだけで片手くらいいただけましたよ。男女の仲にならなくてもいい、断れるんです。わたしは、一度だけ断ったことあります。50代後半で、うちのお父さんと同じ匂いがする。いい匂いなんだけど、お父さん思い出しちゃって。ポマードの匂い」

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ソープ・緊縛モデル・会員制サロン。

男と女の裏側を遊泳してきた人妻景子。

そこで彼女はひとつの経験則を学んだ。

「男性は聖女であるほど大事にしたくなるんだってこと。だからわたしは男性の前でわざとセックスを敬遠してる振りしてる。やめてってイヤな顔する。でも、貴男は別、という。

だから自分以外の男性とはしてないと思ってるみたい。あとはこっちが追うと、向こうにが引いちゃうとか、下手すると遊ばれちゃう。でもこっちが醒める振りすると追ってきますよね。女はスパッと関係を切れるけど、男はいつでも引きずっている」

男の妙諦をずばり言い当てている。

子どもには化粧品セールスレディをしてる、と偽ってきた。

ある日、携帯に夫から連絡が入った。