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閲覧注意…男女の歪んだ「愛の行為」が招く、まさかの悲劇

本当にあった封印事件①

私が小説を書く時には、本当にあった事件を参考にすることが多い。『出版禁止』などの作品も、いくつかの実話にインスパイアされて執筆した。それらの事件の中には、あまりにも凄惨で社会的に封印されたものがある。そんな身も凍るような事件の数々を、今回から3回にわたって、紹介してみたいと思う。以降を読んで、気分が悪くなった方がいたら、申し訳ない。予め断っておく。

古屋栄雄事件

昭和29年秋、埼玉県の東武東上線新河岸駅に一人の不審な男が降り立った。男は駅の周辺をうろついている。夜になり、男はおもむろに動き出す。視線の先には若い女性の後ろ姿。女性が畑のあぜ道に入ると、男は背後から飛びかかっていった。「こんなところに嫁に来ていたのか」。女性の首を両手で絞めると、男は満身の力込めた。彼の名は古屋栄雄(ふるやひでお)。その時、29歳である。

古屋が文江に(仮名・当時18歳)出会ったのは、5年前のことだ。地元山梨のダンスホールで彼女と出会った古屋は、すぐにのぼせ上がった。

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早速、文江の実家に行き結婚を申し入れるが、定職を持たない古屋に、彼女の両親は難色を示す。まともな仕事に就けば、結婚を許してもらえると思った古屋は、上京して仕事を探すが、長続きはしない。一年後、山梨に戻り、また文江の家にやって来たのだが、やはり結婚を認めてはもらえなかった。古屋は、文江の両親に激しくつめ寄った。「東京での苦労は、みんな文江との結婚のためだ。二人の結婚は約束事じゃないか」。

執拗に結婚を迫る古屋に、文江も彼女の両親も辟易とする。危険を感じた両親は、文江の身柄を親戚のもとに預けることにした。だが、古屋はすぐに居場所を突き止め、親戚の家まで押しかけてきた。彼を恐れて、文江は東京や静岡など各地を転々とするが、古屋は必死で彼女の行方を追う。

「もしかしたら、文江は結婚したのではないか?」。そう思うと、彼は矢も立ても堪らなくなった。愛情が憎悪に変わってゆく。「どこに隠れても見つけ出してやる。一生かけても追い回してやる」。

 

そして1年後、やっと埼玉の駅で彼女の姿を見つけたのである。闇に包まれた畑の中。古屋は絞め上げていた両手を一旦外した。持っていた手ぬぐいを、恋い焦がれていたはずの彼女の細い首に巻き付けた。再び力を込める。しばらくすると女は息絶えた。この後の彼の行為は、筆舌に尽くしがたい。

「ウッ憤が腫れませんでしたので女としての価値をなくすため、象徴(陰部)を切り取り、また、死んでも女が歩けないようにするため、所持していたジャックナイフで両足を切断してやれと思いました。最初に右乳房を切り取り、それから左乳房を切り取り、つづいて右足、左足の順序で……(供述書より)」。

古屋は畑の中で、殺害した女の身体を解体する。バラバラになった遺体は、肥だめの中に沈めたり、畑や草むらにばらまいた。