安倍政権が突然「外国人労働者受け入れ」に転換した分かりやすい事情

結局、目先の利益か…

なぜ突然…?

安倍政権は、これまでの方針を180度転換し、6月15日に決めた「骨太の方針」(「経済財政運営と改革の基本方針2018」に、単純労働(在留資格名は「特定技能」)に従事する外国人労働者を受け入れる政策を盛り込んだ。

簡単な試験にパスした外国人を上限5年で受け入れ、この間に、さらに一定の試験にパスすれば、永住と家族の帯同も認めるというものだ。経済と社会の維持に必要な人口減少対策をようやくテコ入れするものとして歓迎したい。

気掛かりなのは、施策の重心がアジアからの単純労働従事者の獲得に偏っている点である。背景には、そうした分野での人材不足があるが、人材不足は他の分野にも共通する問題だ。先進国からハイテク技術者や経営能力に長けた人材を呼び込む改革がなければ、劣化が目立つ国際競争力の回復には繋がらない。

 

また、安倍政権は否定しているものの、今回の施策は事実上の移民拡大策だ。外国人労働者にも所得税や住民税の負担義務がある中で、永住権を付与すれば、遠からず彼らの政治参加の議論に火が付くだろう。そうした事態に備えた国民的なコンセンサス作りも避けて通れない。

ところが、今回の外国人労働者受け入れ策は、9月に迫った自民党総裁選での安倍総理の3選を確実にすることが最大の狙いとされ、いささか拙速なうえ、動機が不純だ。こうなると、予想される世論の反発を乗り越えて必要な国民的なコンセンサスを構築できるか、懸念を感じずにはいられない。日本の歴史的な転換点になるかもしれない壮大な方針転換の虚実を検証しておこう。

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