団結する仲間の熊たちの意味とは?〔PHOTO〕iStock

日本社会を覆う「杉田水脈問題」で私たちがいま試されていること

水色の大きな熊が教えてくれた人権の話

杉田氏の酷い言葉を受けて

自民党の杉田水脈衆議院議員が、「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した雑誌寄稿で「LGBTは生産性がない」と暴言を吐いたというニュースが流れたとき、私は北欧の小さな国の首都にいた。

その暴言のあまりもの酷さに、インターネットのニュース記事を読み漁り、さらには本人を批判する記事やツイート、さらには擁護する人々の発言を一通りフォローした。

暴言の酷さ醜さは言うに及ばず、当人が何も悪びれていない様子であることや、彼女を支持する声が少なくないという事実に、いたたまれないほどの嫌悪と悲しさを感じた。

 

団結する仲間の熊たち

ところで、この小さな北の首都には、その中心に大聖堂があって、大聖堂の前には石畳の広場がある。ちょうどこの時期、あるイベントが行われていた。

それは、世界各国のアーティストが、人間の背丈を超えるほどの熊の人形に、それぞれ自分の国を表すペイントをし、それがずらりと大聖堂前の広場に並べられているのだ。

2002年にベルリンを皮切りに始まったこの「United Buddy Bears(ユナイテッドバディーベアーズ)」というイベントは、2005年には東京にもやって来ており、そのときは300万人を超える人出でにぎわったという。

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黒い熊もいれば、白い熊や黄色い熊、赤や青の熊もいる。2メートル近い大きさの色とりどりの熊の人形が、百体以上も手をつないで並ぶ姿は壮観だ。

そして、その中央には水色の熊が、一体だけ独立して立っている。その体には世界各国の言葉で、「人権」と書かれている。背中には、国連の「世界人権宣言」の第1条が英語で記されている。

すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。