下水処理場 Photo by iStock

総力取材 人間のうんちは「ケーキ」となって再利用されていた

下水処理で増えつづける「泥」の謎
今日もいいうんち、出ましたか。あなたのうんちは今頃、どこへ行ったのでしょうか。トイレに流してきれいさっぱり忘れてしまったことでしょう。

「下水処理場に決まっているでしょ」という声も聞こえてきそうですが、私たちがうんちをするほど、下水を流すほど、増える「泥」の存在をご存知でしょうか。

うんちするほど増える「泥」の正体

家庭から出た排水は人の歩く速度とほぼ同じ、時速約3.6km(秒速1m)で下水管を流れ、処理場に辿り着きます。まず、野菜くずやうんちの固まりなど、大きなゴミをふるい分けし、「最初沈澱池」で水より比重の大きな固形物を重力分離します。

下水処理の流れ下水処理の流れ

一番やっかいなのは、水に溶け込んだ有機物の除去です。

それらは「ばっ気槽」の中の活性汚泥によって除去します。活性汚泥とは、微生物の固まりのことです。地上最強の微生物として名を馳せたクマムシや、ツリガネムシ(ヴォルティセラ)、イタチムシなどなど、聞いたことがあるような、ないような種々の微生物が、我々のうんちにも由来する有機物の汚れを餌として食べてくれています。

ばっ気槽では、微生物を増殖させるため、空気を送り込みながら6~8時間ほど排水を撹拌します。

ばっき槽と活性汚泥ばっき槽と活性汚泥

ばっき槽では、微生物が有機物を二酸化炭素に変換すると同時に、新たな活性汚泥が生み出されています。私たちがご飯を食べて肥えるように、微生物も汚れを食べれば増えるからです。

増えた活性汚泥は「最終沈澱槽」で沈めて、一部をばっ気槽に戻します。これを返送汚泥と呼び、ばっ気槽の活性汚泥を一定濃度に保ち、増殖の遅いツリガネムシなどの単細胞生物を増やしています。

しかし、必要以上に増えた活性汚泥は「余剰汚泥」として処理しなければなりません。

最終沈澱槽の上澄みは塩素消毒によって大腸菌などを殺菌し、川や海に放流します。きれいになった水はやがて雨となり、再び地上へと循環するわけですが、残った余剰汚泥はどうなるのでしょうか。