「LGBTは生産性がない」杉田水脈氏大炎上「ザワザワ感」の正体

これは日本社会の構造的問題だ
井戸 まさえ プロフィール

内部からの杉田水脈評「遅れてきたバブル」

「杉田水脈をジェンダー視点で語るのは正しいようで、ちょっと違います」

こうした筆者の杉田水脈氏評に対して異なる見方が必要と指摘するは彼女と同じ政党にいたという男性政治家たちだ。

「彼女とは同じ政党だったので、言葉に注意したらという助言をしたことがありますが、全然理解してもらえませんでした」

「会議の席でも指摘したが、その後も変わらなかった」

複数人からこうした声がある一方で、杉田氏がその言動をさらに過激にしていくのは別の後ろ盾があったからだとの指摘もある。

「たちあがれ日本、日本維新の党、そして次世代の党の一部の人々の根底には、宗教的右翼思想があり、一般的な保守とは一線を画していました。軍隊用語がはびこり、反中嫌韓、日本万歳思考が当たり前。それさえ唱えていたらいい。それに疑問を持たなければとても居心地の良いところだと思います」

「いまどき、『閣下』という敬称が、侮蔑ではなく、敬いの言葉として飛び交う中で杉田水脈氏が政治家として誕生し、成長してきたことを忘れてはならないと思う」。ある党関係者はそう指摘する。

保守の特徴だと言われる「義理人情」であるとか「長幼の序」は全く見られない。勇ましく「日本万歳」を唱えた人間が主である政党の中で最も居心地の良い場所に座ったのが杉田氏だというのだ。

「タカ派男性議員の寵愛を受け、自分こそ救国の女戦士と勘違いしてしまい、周りのビジネス右翼とともに活動することで喝采を浴びる。例えて言うならば今まで脚光を浴びていなかった地下アイドルが、いきなり全国区のアイドルになれたことで自分に酔いしれたんでしょう」

神戸のお嬢様学校と言われる私立中・高を卒業し、鳥取大学に進む杉田氏。バブル当時の選択として都会で華やかな学生生活を送ることも可能だっただろうが、その後の西宮市役所勤務も含めて真面目さ地道さが伺える進路選択だ。

 

政治という場に飛び込むと、逆にそこでは極端なことを言えば言うほど、賞賛される世界だった。これまでの評価基準とは全く違うことに杉田氏は驚いたことだろう。

「彼女たちの特徴は『選民意識』が強いということ。こんな学歴や経歴で国会議員になれたんだから、逆に『自分は選ばれし優秀な人間だ』と勘違いしている。世の中を支配する側の人間だと本気で思い込んでいる。その最たるものが安倍総理なんだろうけど」

確かに、杉田氏世代は「受験戦争」といわれ、学歴が職歴と直結する時代。そのコンプレックスを跳ね返すために「政治家」を志向する人は松下政経塾でもいないわけではなかった。

選挙は自分の名前を書いてもらわなければ当選しない。究極の「自己承認」なのである。

ただ、杉田氏のように「比例単独候補」は名前を書いてもらうわけではない。当然ながら、彼女の承認は名簿順位を決める権限を持つ人。ある意味杉田氏にとっての有権者はたった一人。その人、もしくはその支持層に対してのアピールこそが自分の立場を与え、保護してくれる唯一の選挙活動なのである。

「要するに彼女たちは、ろくに勉強もせずに、根拠の薄い話を並べたて、集まってくる人間もそんな話に加わることが出来る程度の輩ばかりだから」

「選民意識」を支え、人々を繋ぐのは目に見えない「愛国」。「宗教的右翼思想」というのは、そういうことなのだろう。

「本来日本は、女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国だった」
「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想」
「女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画の名の基、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。(中略)・・その結果、ドメスティックバイオレンスが蔓延し、離婚が増加。少子化や子どもの貧困の原因となっています」……

こうした発言を繰り返しながら、杉田氏は名を売り、仲間を増やし、さらに過激に自分を膨らまして行く。

まさに杉田氏は「遅れてきたバブル」を体感していたのかもしれない。