「LGBTは生産性がない」杉田水脈氏大炎上「ザワザワ感」の正体

これは日本社会の構造的問題だ
井戸 まさえ プロフィール

「炎上」が広がったワケ

さて、杉田氏の「炎上」が広がる要因にSNSや報道で流される杉田氏の写真がいくばくか関係しているのではないかと思うのは筆者だけだろうか。

たいてい本人サイドが掲載している写真と報道写真が「対」のように現れるが、そのふたつの様相があまりに違うのだ。

選挙に出る際、有権者が候補者と実際に出会う機会はそう多くない。だからこそ、通常政治家は自分の容貌を「盛る」。一番良い時の自分のイメージで見てもらいたいからだ。

杉田氏もいつも使っているのは初当選のころから使っているであろうブルーのスーツ姿の写真だ。最近開催の講演会のビラ等にも現在もこの写真を使用していることをみれば、何らかの思い入れを持った写真なのだろう。

ただ、今回の報道等で最近の写真が流れてくると、杉田氏が「見られたい」と思っている=イメージ戦略上の写真と現在流れてくる写真には乖離があることが可視化される。

 

最近の杉田氏は前髪を切っているが、掲載される写真は長い髪が顔にかかり「意地悪そう」という感想も頷けるものだ。

報道機関がわざわざそういう写真を選んでいるとは思わないが、颯爽たる杉田氏の写真と対比される中で、そのイメージが杉田氏の『新潮45』の言葉にリアリティを与えて行く。

イメージ戦略、髪といえばBBCの杉田氏のインタビューで話題になったことの一つに杉田氏の「巻き髪」だった。この日の撮影に備えて美容院に行ったか、自分でブローしたかはわからないが、彼女には明確に「撮られたい自分」があることは伝わってくる。

必死で掴んだ今の立ち位置、ウヨ業界でのミューズ・アイドルでいるためには「巻き髪」は必須アイテム、そのリバースにはこの国で「オンナであること」の呪縛にがんじがらめになっている杉田氏の姿も見え隠れする。

余談だが、杉田氏の行動を見る上では重要な存在がいる。

2012年日本維新の会公認で同期当選、同じ兵庫県選出の三木圭恵氏。そもそもタカ派の寵愛は杉田氏ではなく、三木氏にあったと言われている。

三木氏は2004年から三田市会議員をつとめ、2010年の参議院選挙で「たちあがれ日本」から立候補する等、保守ど真ん中での活動歴もある。

しかし、2014年、運命の分かれ道がくる。日本維新の会の分党だ。

当初は三木氏が当然「次世代の党」に行くと思われていたし、三木氏も入党届を出すが、ほんの2日で進路先を橋下徹氏が作る共同代表を新党へと変更する。そしてもともと維新だった杉田氏が「次世代の党」へと行くのだ。

この選択は憶測を呼んだ。保守の三木氏ではなく杉田氏が「たちあがれ」に行くというのは業界の中ではちょっとした驚きだったのだ。

三木氏はいつもフェミニンな雰囲気を漂わせている。いわゆる男の人が描く「三つ指ついて」のイメージに近い(ような気がする)。

杉田氏はライバルを超えるためにも、発言も、また見た目も過剰にしていく必要があったのかもしれない。

こうした背景を考えると、同情する必要は一切ないと思いながらも、それでも杉田氏が追い込まれて行く過程が垣間見える。

女性や子どもたちが直面する問題と長年向き合ってきた経験からすると、ちょっとしたすれ違いや嫉妬の気持ちから思わぬ方向に進み、負のループにハマるケースはそう珍しいことではない。

そう思うと、男性側の主張を代弁し続けるモモレンジャーとしての杉田氏に痛々しさを感じないでもない。

そう思ってしまう自分にも「ザワザワ」するのだが――。