不安定な時期に2カ月出血する場合も

女性の卵巣からはエストロゲンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが放出され、毎月妊娠のための準備を繰り返している。エストロゲンは子宮の中の内膜を厚くして、受精卵を受けとめる準備をする。その後、卵巣から排卵が起きると、妊娠を維持するために必要な黄体ホルモンが分泌され、子宮内膜の状態を整えていく。妊娠しない場合は、この内膜が不要になるため、黄体ホルモン分泌が低下し、子宮内膜が剥がれ落ち体外に排出されるのだ。

これが月経、通称「生理」で、女性は12歳前後から妊娠しない限り53歳前後までこのホルモン変動と子宮内膜を作っては剥ぎ落とす、いわゆる生理が毎月繰り返されるのだ。

「今の子どもは、栄養状態がいいので、昔に比べると初経年齢も早くなっています。初経を迎えてしばらくはホルモン分泌が不安定で、月経も安定しません。たまにしか来ない子もいれば、2か月間ずっと月経が止まらず出血が続く子もいます。つまり、こんな不安定な状態で体育も含めて授業を受けているのです。

本来はつらい月経のときには、体を休めるべきですし、それよりもまず医師に相談してほしいのですが、月経の知識を学ぶ機会がないので、本人も“つらいけどこんなもんなのかな、仕方ないか”と我慢してしまう。さらに、教師も知識がないので、学校プログラムでも知らず知らずに無理させてしまう環境が発生してしまうのです」(塚田医師)。

月経痛を放置すると…

しかも、この女生徒の生理問題、“つらいけどこんなもんなのかな、仕方ないか”と我慢が定番化すると疾患へのリスクも高まると塚田医師は指摘する。

「私のクリニックにも、月経中、どうしようもない激痛で助けを求めに来る女性たちがいます。子宮の病気は色々ありますが、増加傾向にあるのが、“子宮内膜症”という疾患です。この子宮内膜症は、本来なら子宮の内側にある内膜組織が子宮の内部ではなく、卵巣や腹部の他の部分に飛んで、月経のたびに増殖してしまう。放置すると炎症や周辺組織と癒着などを起こし、痛みが発生します。

症状によっては、手術を行う場合も。卵巣内で子宮内膜が増殖・出血してしまう卵巣チョコレート嚢胞は、年齢や嚢胞の大きさによってがん化のリスクが上昇する、というデータもあるのです。また、不妊症の人の50%は、子宮内膜症があると言われています」

身体を丸めないといられないくらいの月経痛経験者は、かなり多いのではないだろうか。月経痛のみならず、PMSによってイライラに苦しめられたり、だるかったりと様々な症状がある。Photo by iStock

子宮内膜症の増加原因として考えられるのは、現代女性のライフスタイルと月経、つまり女性特有のホルモンに対する低い理解度にあるという。