なぜアメリカ人はそれでも「政権批判Tシャツ」を着たがるのか

日本では考えられないが…

けっこうオシャレ

米CNNが先日、こんな変わったニュースを報じました。小売り大手の「ウォルマート」が、「45を弾劾(IMPEACH 45)」という言葉がプリントされたTシャツを、同社のネットショップで販売することを中止した、というのです。

「45」が指すのは、第45代米大統領、ドナルド・トランプ氏のこと。販売中止の背景には、トランプ支持者からの批判殺到と、彼らによる「ウォルマート不買運動」の勃発があったといいます。

問題になった商品

政治的主張を動機に、一部の人々が企業の不買運動をしたり、抗議の電話をかけまくったりすることは、いまや世界中で珍しくなくなりました。しかし米国の場合、面白いのは、このような「政治Tシャツ」が一般市民に親しまれていて、いくら叩かれても決してなくなることがないという点でしょう。

少しネット上を調べてみても、このような「トランプ大統領を弾劾せよ」といった政治的メッセージの入ったTシャツが、数多く販売されていることがわかります。前述の “IMPEACH  45” のTシャツも、ウォルマートのサイトでは販売中止となったものの、Amazon.comでは色々な種類が売られています。

 

そのほかにも、「反トランプ」Tシャツはよりどりみどりで、Amazon.comだけでも、商品点数は3000点以上。こうした米国の「政治Tシャツ」の中には、ユーモアにあふれた、一度見たら忘れられないものが少なくありません。

例えば、こんなTシャツ。「弾劾」は英語で “impeach” ですが、トランプ大統領の顔を桃(peach)に置き換えて、「トランプ大統領を弾劾せよ」というメッセージにしています。中には、“The time is ripe”と書いて、「桃が熟する」と「機が熟す」をかけているものも。

「私はトランプが弾劾されるまで黙らない」という抗議声明を印刷したTシャツ。「86 45」という2つの数字が入ったTシャツ…。“86(eighty-six)”には、英語のスラングで「キャンセルする」とか「取り除く」という意味があるのです。

こちらは「§2381 Treason(合衆国法典第2381条 反逆罪)」とプリントされています。トランプ政権とロシアとの関係を「合衆国への反逆」であると示唆するものです。

“SUPER CALLOUS FRAGILE RACIST SEXIST NOT MY POTUS”と書かれているのは、ミュージカル『メリー・ポピンズ』に登場する有名な曲「supercalifragilisticexpialidocious」をもじったもの。訳すとすれば「こんな超・厚顔無恥で中身のない人種差別主義者で性差別主義者なヤツ、私の大統領じゃない」とでもなるでしょうか(“POTUS”は“President of the United States”の略で、大統領を指します)。

ほかにも、「ロシアゲート」でトランプ大統領を追及している「宿敵」モラー(Mueller)元FBI長官の名前を、ビール会社・ミラー社のキャッチコピー “It’s Miller time”とかけた“It’s Mueller time”というロゴがプリントされたTシャツ。人気ロックバンド“Maroon 5”に引っ掛けて、トランプ氏とその側近に“MORON 5”とつけたもの…。

どれもトンチが効いていて、パッと見ただけでは「トランプ批判」とはわからないような、洒落たデザインのものもたくさんあります。しかし、もし日本のAmazonでこんな「政権批判Tシャツ」が大量に売り出されたら、あっというまに「炎上」して販売自粛、となるかもしれません。