米中貿易戦争が日本のマンション市場に与える「悪夢のような影響」

「局地バブル」は崩壊寸前!
榊 淳司 プロフィール

「悪夢」の兆候

値上がり期待で「爆買い」したものの大して儲からず、管理規約を改正して民泊を禁止するマンションが増えてきたこともあり、「だったら売却」と見られる動きである。

「まだ都心の不動産価格は上がる」という議論も散見される。たしかに、都心の新築マンションは、これからも〝表面的〟には値上がりするはずだ。都心や近郊の交通利便性の良いところでは、ホテル用地の需要が強いので土地価格は今も上がっている。

一方、人手不足によって人件費が高止まりしたままなので、建築費も下がっていない。新築マンションの販売価格は、土地代と建築費をベースにして決められる。だから下がりようがない。

しかし、それを横目に一足早く、中古マンションの取引価格はジリジリと下がり始めている。売り出し物件数に比べて買い手が少ないのだから、価格は自然に下落傾向となっているのだ。

 

特に、少し都心から外れると、買い手が現れずに何ヵ月、あるいは1年以上も成約しない物件が目立っている。今は多くの売り手が我慢しているが、彼らが焦り始めると「多少安くてもいいから」という動きになる。そうなれば、中古市場は一気に崩れる可能性さえ秘めている。

2014年の金融緩和第2弾以来、「局地バブル」エリアの不動産は実需を伴わない値上がりを見せてきた。バブルを生み出すのは、いつの時代も根拠のない熱狂である。バブルに踊る人々は、冷水を浴びせ掛けられないと冷めない。

上記の通り、中古市場は徐々に需要と供給による価格形成、という本来の市場の機能が回復しつつある。中古市場の健全化は、いずれ新築市場に及ぶ、と考えるのが自然だ。

実際の需要を顧みない高額な価格設定が行われている新築マンション市場も、やがては中古市場の「現実」に向き合わざるを得なくなる。