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あなたの「やる気が起きない」を根本から覆す「4つの技術」

セルフコントロールの科学
「取りたい資格があるのに、コツコツ勉強をすることができない」
「ダイエットをはじめても、いつも3日坊主」

やらなければいけないことがあるのに、それを行動に移したり、継続することが苦手で悩んでいる人はきっと少なくないでしょう。

そこで今回、「セルフコントロール」に関する研究をされている東洋大学社会学部社会心理学科の尾崎由佳准教授に、「目標を達成するためのセルフコントロール術」をうかがいました!

(東洋大学「LINK UP TOYO」より転載)

無理なく行動に移すための“しくみ”を作ること

──「セルフコントロール」とは、どういったものなのでしょうか?

「私たちの日常には、誘惑が溢れています。誘惑に晒されて、望ましくない衝動、抑えなくてはいけない感情・思考や行動が起こってしまいそうになる場面で、自分自身の反応をより良い方向に変えていくことを『セルフコントロール』と呼んでいます

目標達成のためにコツコツと行動を継続するための(目標と逆行した行動をとらないための)心のはたらきと言うと分かりやすいでしょうか」

──目標に向けて、やる気を出すためのしくみがセルフコントロール、ということですか?

「そういう側面もあります。しかし、誤解を招きたくないのは、『やる気がある=頑張れる=目標が達成できる』というわけではないということ。

むしろ、多くの人は『やる気があり、やりたいと思っているのに実際の行動に移せない』ということに悩んでいるのです」

──目標を達成するには、やる気を起こすだけでは足りないのですね。

「そうですね。自分自身に負担をかけ過ぎることなく、目標に向けた行動を自然に行えるような状況や環境を作り出すことが、セルフコントロールを成功させるための重要なポイントです。

『やる気さえあれば何でもできる』だとか、『歯を食いしばって頑張れ』という考え方とは異なった方法と言えますね」

セルフコントロールを生活に生かす方法とは?

──では、実際の生活の中でセルフコントロールを取り入れていくにはどうすればよいのでしょう。

「それでは、物事を始めたいとき、そしてそれを継続していきたいときに、有効な具体的手段をいくつかお話しますね」

1 目標をステップごとにブレイクダウンする

「目標というのは大概大きなものを設定していますが、その目標をステップごとにブレイクダウンしてみることで、今日やらなくてはいけないことが見えてきます。

たとえば、『何月までに○○の資格をとりたい』と考えている場合。今月は『何章までやる』から『今週は何ページまで』、さらには『今日は何ページから何ページまで』というように、なるべく小さな目標を設けます。

こうすることで着実にステップアップしていく感覚がモチベーションとなり、次の行動にも移りやすくなるのです。

ブレイクダウンした目標は、To-Doリスト(やるべきことを列挙したリスト)としてカレンダーに記入したり、目につくところに貼りだしておいたりすると、さらに効果的ですよ。

これによって、目標達成に向けてやるべき行動のひとつひとつが明確化されます」

【ポイント】
大きな目標を小さなステップにブレイクダウンし、ひとつずつステップアップしている感覚を作りだそう

2 「If then」で自らの行動をプログラミング(自動化)する

「やるべきことが明確になったら、あとは行動するだけですが、これが一番難しいですよね。

意志の強さに関係なく行動に移すための方法としては、『If―then~(もし―したら、~する)』で自らの行動をプログラミングする、という考え方があります。

これは、『If(もし夕食を食べ終わったら) then(30分だけ勉強する)』、『If(もし電車で座れたら) then(参考書を開く)』のように、動き出しのスイッチとそのあとに続く行動をあらかじめ決めておくというものです。

こうすることで、自動的に自分の行動が導かれるような状況を作り出しやすくなり、『やらなければいけない』と悩む時間自体が減っていきます。