はじめまして、『天デ部』の監修を担当しています、多久和理実です。
私がマンガ監修という仕事をするようになったのは、大学院生だった頃に当時の指導教授から「監修の依頼が来てるから、学生の誰かやらない?」と言われたのがきっかけです。
当初は教授や他の学生さんたちも一緒にお手伝いしていたのですが、あれから5年経って、連載マンガが変わってからも引き続き私に声が掛かるので……マンガ家さんや編集者さんに「こいつは使える(色々な意味で)」と思われたのではないかと予想していますが、どうでしょう。
私は物理学の歴史を専門に研究しています。普段何をしているのかというと、「ガリレオ・ガリレイの実験はこうだった」とか「アイザック・ニュートンの理論はああだった」とか、歴史上の科学者たちに思いを馳せて過ごしています。
そのため、監修可能な分野としては専門に近い「物理学、物理学史、ラテン語、イタリア語」を挙げています。『天デ部』は生物学の話題が中心のマンガですので、お話をいただいた時にはきちんと監修できるかどうか心配でした。
そこで1話分だけお試しで「私だったらこういう指摘をします」という監修コメントを書いたところ、どうやら採用になったようで、引き続き監修に入ることになりました。
私が『天デ部』に参加したのは、単行本1巻が出るタイミングです。つまり、第1話から第9話までの内容は、雑誌掲載時にはチェックしていません。
それ以降はネームの段階でチェックして、原稿が仕上がる前に問題点をできる限り見つけ出して指摘するようにしています。
監修する前にどんなミスがあったのか、マンガ家さんと編集者さんには大変申し訳ないのですが、ちょっとだけ紹介させてください。