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時事ネタ芸人「プチ鹿島的」本の読み方、歩き方

野次馬根性で世間を眺める

原点は「サザエさん」

今回は「時事ネタ」に役立った10冊を挙げました。今、大好きな時事ネタで様々な仕事をさせてもらっています。そんな僕の原点とも言えるのが『よりぬきサザエさん』と『山藤章二のブラック=アングル』です。

子供の頃、歯医者さんに『よりぬきサザエさん』が置いてあり、それを読むうちに、はまってしまいました。それまでテレビのアニメは見ていたのですが、漫画を読むのは初めてだったのです。

サザエさんはもともと朝日新聞の4コマ漫画でしたから、その日の出来事、例えばベトナム戦争や佐藤栄作首相の動向なんかが載っている。

僕が少年時代を過ごしていたのは'80年代で、サザエさんに描かれているのはそれより前の'50~'60年代の時事ネタにもかかわらず、時代の空気を感じる面白さがありました。毒と洒落っ気の効いた作風も好きでしたね。

 

山藤章二のブラック=アングル』も小学生くらいから読んでいました。父親が買ってきた「週刊朝日」を読んで、その週の時事ネタを楽しんでいたんです。

山藤先生の作品って、描かれている本人もニヤッと苦笑いしてしまうようなところがあると思うんです。本質は刺しているんだけど、トドメは刺していない。僕はそうした芸に憧れ、理想としています。

もう一つ思うのは、'80年代くらいまでの政治家は絵になりやすかったということ。最近の政治家で、インパクトのある漫画になる人ってあまりいない気がするんです。

僕はよく〈政策も大事だけど、政局も大事〉と言うんですね。政局には「人間」が出るからです。何を言うかも大事だけれど、誰が言うか、どういうバックボーンで言うかによって、その人の言葉が信じられるかどうかが変わってくる。政治家の人間性がわかるのが政局だと思います。

山藤先生のブラック=アングルは言ってみれば政局、つまり政治家の人間くささをネタにしている。そこが好きだし、僕も注目していきたいポイントです。

図書館においてほしい

ドキュメント 平成政治史』も、人間ドラマにワクワクする本です。この本を読むと、同時代で見ていた時はそうは思えなかった政治家が、重要なキーマンだったことがわかります。

例えば竹下登さん。田中角栄さんに比べて大物には見えなかったけれど、今、竹下さんのような、人を傷つけない柔らかい言葉を持っている政治家がいたら、もっと上手くいくんじゃないかと思いますね。僕はやっぱり政治家の人間性に魅せられるんです。

右から三番目が故竹下登元首相(Photo by iStoc)k

政治というと国政に目がいきがちですが、もっと身近なところもヤバイことになっていると教えてくれたのが『富山市議はなぜ14人も辞めたのか』です。

事の発端は、議員報酬の強引な引き上げでした。その政策に疑問をもった記者たちが、手始めに市議達の政務活動費を調べると、次々に白紙領収証が見つかる。そこから様々な不正が明らかになっていくわけですが、小さな問題の中に、大きな問題の火種が隠されていることがよくわかります。