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トヨタグループ「前代未聞の大改革」の全貌~豊田章男がついに着手

「自前主義」はもう限界…

これまでの常識では考えられない改革

トヨタ自動車が、グループ企業の再編や研究開発投資の効率化ついて、これまでの同社になかったような発想で改革に取り組んでいる。前例踏襲の手法を健全に否定しているようにも見える。

自動運転やコネクテッド、電動化対応には莫大な開発投資がかかる割に、こうした次世代技術を使った商品が本格的に市場に普及して投資を回収するのに時間がかかる。このため、トヨタといえども、開発投資の負担が重くのしかかり始めており、いかに開発体制を効率していくかという喫緊の課題に対応するための改革ともいえる。

 

トヨタは、100年に一度の大変革の時代に備えて、グループの競争力強化を加速させるとして、2018年6月1日、トヨタの電子部品事業をデンソーに集約することを発表した。

19年末までにトヨタの電子部品工場をデンソーに移管する。トヨタ社員約1600人がデンソーに出向する方向で調整している。開発機能も22年頃までにデンソーに移し、開発から生産までデンソーで一貫して行う体制にする。グループで投資の重複を避けるのが大きな狙いだ。

トヨタは、愛知県豊田市に電子部品専用の広瀬工場を持つ。今回、デンソーに移管されるのはその広瀬工場だ。そして、開発・生産が移管される電子部品は、モーターの回転やトルクを制御する「PCU(パワーコントロールユニット)」。電動化時代に心臓部となる部品の一つだ。

トヨタは1997年、初代プリウスを発売したが、それに搭載する電子部品を自前での開発・生産にこだわった。

その理由は、グループ企業といえどもデンソーに任せてしまえば、トヨタに開発力やコストを見極める力が残らず、空洞化を招くと危惧したからだ。グループ内で競い合うことが、総合的に技術を向上させることにつながるとの判断もあった。