世界の不動産を買い占める、大富豪「マルチビリオネア」たちの正体

格差社会、これが最上流階層のリアル
岡村 聡 プロフィール

富裕層にとって不動産は「究極の貸金庫」

それにしてもなぜ、このようにマルチビリオネアたちは世界中で1億ドル以上もする超高額の不動産を買い漁っているのでしょうか。もちろん、純粋にその物件にほれ込んでいるというケースもあるでしょうが、ほとんどの物件は「資産保全」のために購入されています。

今回のコラムで紹介した物件は、どれもグローバル都市の最上のエリアにある最高級の物件です。もちろん、リーマンショックの時のような一時的な混乱時には価格が下がることもありますが、長期的には世界経済の拡大に応じて値段も上昇していきます。

たとえば、2000年代前半にマンハッタンに完成した物件の中で最高級のマンダリン・オリエンタルレジデンスは、2004年の完成当初に3ベッドルームが平米単価で約290万円でとりひきされていましたが、直近では約880万円と3倍以上に高騰しています。

 

米国ではグーグルで検索すれば簡単に各物件の取引履歴を閲覧できますが、マンハッタンの高級コンドミニアムの平米単価は押しなべて、リーマンショック前のピークと比較しても倍近くにまで高騰してきています。ロンドンやモナコの物件も、為替レートの動きもあり円建てで見て米国ほどではありませんが、それでも価格は長期的に上げています。

今回紹介したようなハイエンドな物件はマルチビリオネアにとって、快適に住むこともできながらインフレ率以上に長期的に価格が上昇していく、「究極の貸金庫」といえるでしょう。

その点で、流動性に乏しい巨大な邸宅よりも、上記のようなコンドミニアムが資産保全の手段としては好まれますし、このトレンドを受けて世界中のグローバル都市では次々と超高級なコンドミニアムが完成しています。

活況を呈している東京都心の不動産市場でも、今回紹介したようなマルチビリオネアの食指が動く、超ハイエンドの高級物件がもっと増えれば、世界中から巨額のマネーが流入してさらにマーケットはさらに活況を呈するでしょう。

最後に、前述した視察で撮影したほかの物件の写真があるので、是非ご覧ください。これが世界の大富豪たちのリアルリッチな現実なのです。