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安倍政権がアメリカに送った知られざる「特使」と「密命」

経済問題、解決の糸口を探るため…

日欧が探る「米国の本気度」

安倍晋三首相は7月17日夕、首相官邸で欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長(大統領・ポーランド出身)、ジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長(ルクセンブルク出身)と会談後、日本とEUの経済連携協定(EPA)に署名した。 

[写真]EPAに署名した安倍首相(中央)とEUのトゥスク大統領(左)、ユンカー欧州委員会委員長(右、Photo by GettyImages)EPAに署名した安倍首相(中央)とEUのトゥスク大統領(左)、ユンカー欧州委員会委員長(右、Photo by GettyImages)

同協定承認案が今秋の臨時国会で批准されれば、2019年初頭までに発効する。人口約6.4億人、世界の国内総生産(GDP)の約28%をカバーする巨大な経済圏が誕生することになる。

トゥスク大統領は署名式後の共同記者会見で「我々は保護主義に対し、ともに立ち向かう」と述べたが、トランプ米政権が相次いで打ち出す「アメリカ・ファースト」の通商・貿易政策を念頭に、EUが日本と協力して自由貿易推進の旗を掲げていくとの強い意志を表明したのである。

安倍首相も同会見で「保護主義への懸念が高まる中、(日欧の)EPAが利益をもたらすことを(世界に)示していきたい」と語り、EUと歩調を合わせて保護主義に対抗する意向をアピールした。

 

とはいえ、さきにドナルド・トランプ大統領が、米国が輸入する自動車に一律25%の関税を課すことを示唆したことで、日本と欧州、特にドイツの基幹産業でもある自動車に対する関税引き上げは深刻なダメージとなることから、トランプ氏の”本気度”を推し量ることに汲々としている。

自動車は日本の対米輸出額約15兆1110億円の30.2%を占め、ドイツの対米輸出額は1120億ユーロ(約14兆5600億円)の30%強が自動車関連とされる。日本とドイツ両国にとって、自動車は対米輸出主力製品なのである。

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