田原総一朗が飛び込んだ「高齢者専用風俗店」の世界

高齢者の性を巡る旅③
田原 総一朗 プロフィール

シニア層の好み

――さて、そこで、女性に、お客さんと会ったらどんな挨拶をして、それからどんなことをするのか。どの程度説明するのですか。

「挨拶の仕方くらいは言いますが、それ以上の説明はしません。する必要がありません」

――女性たちがわかっている、ということですね。だけど、部屋に入ってからどうするかというのは、女性が先導するのか、それともお客さんが先導するのですか。

「遊び慣れていないお客様の場合は、女性が先導するのです。こういうケースはキャリアのある女性を派遣します」

――「こころあわせ」は、お客さんは高齢者ですが、高齢者だからといって、特に気をつけることはありますか。

「特に気をつけることはありません。どういうことが求められているのか、みんな女の子はわかっていますよ」

――それでは、お客さんは、どういう女性を好みますか。

「それはもう、お客様は圧倒的に女子大生を求めます。女子大生はいるか、という注文も多いです」

――なるほど、そして契約者の中に女子大生はいるのですか。

「たぶん、何人かはいるはずです。そして、女子大生に次いで注文が多いのは20代の女の子ですね。20代の、水商売的な派手さのない女の子。そういう女の子は、少なからずいます」

――ところで、お客さんがリピートする場合、どのくらいの間隔が多いのですか。

「平均すると、1カ月に1回くらいですね。あくまで、平均ですが」

――そういう場合、お客さんは、同じ女性を頼むのですか、それとも、別の女性を求めるのですか。

「2つに分かれます。だけど、同じ女性を求めるお客様が多いですね」

――本番をしないからですか。ところで、事務所として、お客さんの反応は、どうやって掴むのですか。掴めるのですか。

「それは、プレイが終わったあとに、女の子が事務所に電話をしてくれることになっていて、そのときに、お客様が『とてもよかった』『いい子だった』などと話されることが多いのですよ」

――なるほど。そこでお客さんのお金の支払いだけれど、これはどういうかたちになっているのですか。

「それは、プレイが終わったあとに、その場でお客様が直接女性に現金を払い、女性が、事務所の指定口座に振り込むのです。うちの場合は、女性の取り分が6、事務所の取り分が4です。」

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――それで、女性は、ちゃんと事務所に4割を振り込んでいるのですか。

「振り込んでいるから、契約が続いているのですよ(笑)」

――なるほどね。そこでなのですが、お客さんは、奥さんのいらっしゃる方が多いのか、それともいない方が多いのですか。

「いらっしゃる方が多いと思います。ただしセックスに関しては、関係が希薄になっているのでしょうね。だから、デリヘルにいらっしゃるのでしょう」

――もしかしたら、奥さんが公認なのかな。

「いやいや、それはないと思いますよ(苦笑)」

儲からないけど続ける、の真意

――そこで、気になるのは、トラブルですが、たとえば女性に強引に本番を迫るとか、女性の嫌がることをさせようとする、とか。本番をやりたい、というお客はけっこういるのではないですか。

「そういうときは、女の子が事務所に電話をしてくるのです。そして、事務所の女性がうちは本番は出来ませんと説明して、それでもお客様が納得しないと、最後は僕が出て、あまり無理を言うと警察を呼ぶことになりますよ、というのですが、そんなことはめったにありません。トラブルは、ほとんどないのです。お客様の質が高いせいでしょうかね」

――なるほど。値段が高いからトラブルがないわけですね。最後にお聞きしたいのですが、高齢者の性的悩みに応えていくという社会的意義のようなことは感じていますか。

「そんなに偉い人間ではないので、そんなことは考えたことがございません。たまたまマスコミにとりあげられたおかげで現在まで続いているので、運がよかったな、と思っています。お客様からお金をいただいて、スタッフも女性たちも生活ができているので、感謝しています。世間に貢献だなんて、全然思っていません」

「こころあわせ」のオーナーは、まるで謝罪するような口調で言った。そして、この腰が低く格好をつけないところが、働いている女性、そしてお客の信用を得ているのであろう。

彼は「儲からないけど、いま働いてくれている女の子たちのために続けたい」と言った。本人は社会貢献のつもりはさらさらないというが、しかし、「こころあわせ」に救われている高齢者は少なくないはずだ。

次回は、実際に「こころあわせ」で働いている女性たちに話を聞いてみたい。