田原総一朗が飛び込んだ「高齢者専用風俗店」の世界

高齢者の性を巡る旅③
田原 総一朗 プロフィール

『本番のない彼氏とのセックス』

――私も、デリヘルは1回も利用したことがないので、まったくわからないのですが、デリヘルってどういうことをするのですか。

「僕が女性に、スカウトするときなど、デリヘルの経験がない女の子にお話しするのは、『本番のない彼氏とのセックス』という言い方をしています」

――本番はしない?

「本番はないです。捕まってしまいますからね。ただ、お店によっては女の子が本番行為をして追加でお金を取ることを黙認しているところもあります。うちは、女性には本番はしないように、という指導をしています」

――なぜ本番をしないのかは後で聞きますが、「こころあわせ」は、なぜ60歳以上専用のデリヘルということにしたのですか。

「実は、高齢者のデリヘルというアイデアは、ずっと後になって、遅れて出てくるものなんですよ」

――そうか、仙台でいきなり「こころあわせ」を始めたわけではなかったのですね。

「そうです、そのあとも、東京、福岡というかたちで、SMクラブを中心にデリヘルを大きくやっていたのです。10年以上前は、ね」

――何店舗くらいですか。

「ホームページの数でいえば、1カ所が7~8ぐらいあったので、3カ所で24~5になりますか」

――ずいぶんと多いのですね。仙台の、彼女との関係は、今も続いているのですか。

「いや、彼女にはお金を持ち逃げされまして……。スタートして3年くらいでした。そのあともいろんな方と一緒に経営をしてきたのですが、現金が目の前を通っていく世界なので、難しいですね」

――それで、「こころあわせ」という名前のデリヘルは、いつ頃スタートしたのですか。

「7年前です。実は、当時デリヘルの経営がどんどん苦しくなっているところでして……」

――どうしてですか。

「一つは、単価の下落です。従来は60分1万5000円ぐらいが普通だったのが、1万円になり、30分3980円なんてお店まで出てきました」

――なぜ、単価が下落したのですか。

「競争店が多くなったのです。競争が激しくなれば、センスのない経営者は価格をどんどん下げるしかありませんから」

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――いま、デリヘルのお店というのは、どのくらいあるのですか。

「東京だけでも数百、全国では数千だと思います」

――それで、経営が苦しくなって、「こころあわせ」をスタートするとき、なぜ60歳以上にしたのですか。

「繰り返しになりますが、デリヘルの経営が苦しくなって、売上げがピーク時の5分の1くらいになってしまった。そこで、数字に強い女性に専務という形で入ってもらって、うちの経費台帳とか、いろんなものを点検してもらい、いくつものデリヘルを閉鎖しました。大げさに言えば『経営再建』です。

彼女はセックスカウンセラーもやっていて、その彼女が、いま高齢者の性の悩みが大変深刻なので、60歳以上を対象のデリヘルをやれば話題になるし、人気も出るはずだ、と強く主張したのですよ。僕は年齢に区切りを設けるのは面白いけれど、45歳くらいでいいのではないか、と言ったのですが、『きみがどうしてもそれでやるというのならば、いいよ』と言ったのです」