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病気をよく知る名医が、自分のために入る「医療保険・がん保険」実名

特約は? 掛け捨て?先進医療は?…

高額療養費制度があるから、医療保険は要らない。そう言う識者も多い。しかし、制度を使っても年間100万円単位の医療費がかかるケースもある。専門家はそのリスクにどう立ち向かっているのか。

月2000円のお得な保険

山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏(73歳)は、医療保険に救われた経験がある。

「実は'11年に中咽頭がんと診断されました。そのため、外科手術を受け、40日間ほど入院。その後、放射線治療も受けましたが、おかげで治療費はすべて保険で賄うことができ、おつりまで返ってきました。

もし保険に入っていなかったら、安心して個室に入ることもできず、大変でしたよ。もちろん、相部屋でもいいのですが、術後1週間くらいは個室のほうが体もラクです。もし医療保険に入っていなかったら、そんなゆとりはありませんでした」

中原氏が入っていた保険は、ソニー生命の「医療保険」(特定疾病診断給付金特約)とアフラックの「がん保険」(現商品名・生きるためのがん保険Days1)だった。

ソニー生命は月額保険料が約1万6000円で、入院1日1万円、がん診断時には100万円が給付される。アフラックは月額保険料が約6000円で、入院1日3万円、がん診断時給付金が初回100万円だったという(保障内容は加入当時。現在とは保険内容が違う場合がある=以下同)。

「ソニー生命の医療保険は、がん発見の1年ほど前に入ったものだったので、家内も『ラッキーだった』と言っていましたね。

アフラックは50代になってから加入したものだと思います。がんになるまで保険はすべて家内に任せていて、自分がどんなものに入っているかも知りませんでしたが、病気をしてみて、保険は大事だと実感しました。

高額療養費制度で、支払った医療費のうち、かなりの金額は戻ってきますが、一時的にせよ、医療費を用意するのは大変です。

もし、医療保険に入っていなかったら、まとまったおカネはなかなか払えません。やはり、いざというときのために、保険は必要なんだと思います」(中原氏)

 

医師もまた、人間である。将来かかるかもしれない病気を不安に感じ、万が一に備えることは、一般人と変わりない。ただし、彼らは病気のことを一番わかっているプロだ。名医たちは何をポイントに、医療保険を選んでいるのだろうか。

都内の神経内科クリニック院長A氏(30代半ば)は「医療保険は博打」だと考えている。

「プルデンシャル生命保険の『解約返戻金抑制型入院保険』に入っています。2日以上入院すると一時金が10万円出て、10日以上入院が続いた場合は日額1万円が最大50日間受け取れます。

1000万円の生命保険と合わせて、月額保険料は約3万円。高いように見えるかもしれませんが、60歳まで払い続ければ、その後はタダで同じ保障内容を終身で受け取れます。

日本の保険会社の商品だと、最近は入院日数が長いものもありますが、今の病院はそんなに長期の入院はさせません。入院日数を50日と限定することで、保険料を抑えられるほうがいいと判断しました。

掛け捨てを嫌う人もいますが、医療保険は博打で、何か困ったことが起きたときに、それなりの金額をもらうものだと考えています。博打だとすれば、掛け金は少ないほうが効率的ですから、掛け捨てのほうが合理的でしょう」

こちらも掛け捨ての医療保険だが、掛け金の安さから、名医たちが太鼓判を押すのが「共済保険」である。千葉県にあるさくらクリニック院長の石代誠氏(56歳)が言う。

「私は千葉県民共済の入院保障型に20年間加入しています。掛け金は2000円と安く、がんを含め、すべての病気やケガによる入院の保障があります。

入院は1日1万円で、すぐに保険金が下りるということで加入しました。病気により、2.5万~10万円が支給されますが、幸いなことに未だに一度も入院の経験はありません。

県民共済をはじめ、ソニー生命の『総合医療保険』や第一生命の『リード21』(現商品名・ジャスト)の医療保険特約、アフラックのがん保険などに入っていますが、そこまでの余裕がない人も多いでしょう。

周囲には最低限の県民共済に加えて、がん保険と医療保険にそれぞれ1社ずつ入ることをすすめています」