8月17日 初の本格的蒸気船による試験航海(1807年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1807年のこの日、アメリカの発明家で技術者であるロバート・フルトン(Robert Fulton、1765-1815)によって、ニューヨークとニューヨーク州の州都オールバニーの間で蒸気船(外輪船)の試験運行がありました。これは、本格的な蒸気船による初の航行でした。

船は、英国製の20馬力蒸気機関を積んだ外輪船で、名前を「ノース・リバー・スティームボート・オブ・クラーモント」と言い、通称「クラーモント」(Clermont)と呼ばれました。

当時の船はほとんどが帆船で、蒸気船は実用にはほど遠く、この試験航海も「フルトンの愚行」と言われたほどだそうです。

しかし、試験航海は成功し、蒸気船は瞬く間に帆船を凌駕していくことになります。フルトンはその後、1819年に初の蒸気船による大西洋横断に成功しています(ちなみに、スティーブンソンの蒸気機関車が走ったのは1825年)。

今では、ディーゼルエンジンやガスタービンによる船が多くなりましたが、蒸気を利用する例としては、原子炉で発生した高熱で蒸気を発生させてタービンを回す原子力タービンが軍艦などで見られます。

フルトンは、はじめ画家でしたが、画業の修行のために渡欧した際に英国の産業革命の熱気に触れ、工学技術や発明に興味が移っていったという、変わった経歴の持ち主でした。蒸気船の実験のほかにも、世界初の潜水艦の設計や機雷の発明をしています。

当時の産業革命の熱気が伝わってくるような話ですね。

【写真】クラーモント号の絵クラーモント号の絵 photo by gettyimages