変動金利で住宅ローンを組む人は、実は破産予備軍かもしれない

「バブル」の現状ではリスクが高い

昨年以降、住宅ローンを変動金利で借りる人が急増している。このところ日本では再びデフレ懸念が台頭しており、半永久的に物価(金利)が上がることはないとの意見すら耳にする。

しかしながら、デフレによって金利が極端に低下しているということは、債券価格がバブル的な水準まで高騰していることの裏返しでもある。返済余力に乏しい人が変動金利で住宅ローンを組むことは、やはりリスクが大きいと言わざるを得ない。

 

10年前、住宅ローンは固定金利型が大半だった

住宅ローンの金利は、主に3つのタイプに分類できる。ひとつは金利が市場金利に連動して動く変動金利型、もうひとつはすべての期間で金利が固定される固定金利型、3つ目は、一定期間は固定だが、その後、変動金利に移行する固定期間選択型である。

変動金利型は主に短期金利に連動して、半年ごとに金利が変わるという商品が多い。金利が動けば当然、月々の返済金額も変わってくる(金利の見直しは半年ごと、返済額の見直しは5年ごと、という商品が多い)。固定金利型であれば、すべての期間で金利が同じなので、金利が変わっても毎月の返済額に変更はない。

固定期間選択型は両者の中間ということになるが、固定金利となっている期間の長さによって商品の性質は変わる。10年を超える期間、金利が変わらない商品は、固定金利に近い性質を持つが、固定期間が5年未満の場合には変動金利に近づいてくる。

固定期間選択型も固定金利に分類するならば、10年ほど前は、住宅ローンのほとんどが固定金利型であった。2006年の比率を見ると約8割が固定金利となっている(5割は固定期間選択型、3割は全期間固定型)。ところが固定金利の割合はその後、急激に減少し、2010年代には5割程度まで落ち込んだ。

一時、6割まで増えた時期があったものの、2016年にはやはり5割程度に落ち着いている。ところが昨年から固定金利の割合が再び減少し、変動金利が固定金利を上回るようになった(図1)。

当然のことだが、変動金利の商品が売れるのか、固定金利の商品が売れるのかは、金利動向に大きく左右される。デフレが当然という状況になり、長期金利が2%を切った2006年以降は、当分の間、金利は上がらないとの観測が高まり、変動金利で借りる人が増えた。

2013年に固定金利の割合が一旦上昇したのは、量的緩和策がスタートしたことで、いずれ金利は上昇すると考える人が増えたからである。ところが皮肉なことに量的緩和策はあまり効果を発揮せず、ここ1~2年は再びデフレ懸念が台頭している。これに伴って変動金利の住宅ローンも増加してきたと考えられる。