「ペットと避難」をあきらめないために知っておくべきこと

ぜひこの手順のシミュレーションを!
友森 玲子 プロフィール

周囲への迷惑は、普段の飼い方で改善できる

ここまで読んで、「やっぱりペットの避難環境は悪いんだ」とか「同伴避難ができないならしない」と思った人もいるかもしれない。確かに、災害時には人命救助が優先される。犬や猫も助けて、とSNSに書き込めば「税金でなぜ動物を助けるんだ」という声も上がってくる。

熊本地震以降に発表された『平成28年度避難所における被災者支援に関する事例等報告書』(内閣府:2017年4月発表)によると、避難所内にペットを入れてほしくないと感じた人は、35.5%という結果だった。

ペットを避難所に入れてほしくない理由の1位は臭いが気になる(糞尿臭)、2位は鳴き声や音が気になる、3位はペットアレルギーが心配、という声だった。

 

しかし、この1位と2位は飼い主のケアで改善することは可能だ。1位のニオイ問題は、日頃からトイレのしつけはきちんと行っておくこと。避難の際に、ペットシーツやタオル、トイレ用品、排泄物の処理用具などを準備しておくことが大事だ。

2位の鳴き声、音問題も日頃の準備が重要になる。ほとんどの避難先では犬猫は“ケージ”での生活が中心となる。まったく練習せず、いきなりケージに閉じ込めてしまうと動物は騒いでしまう。普段から、部屋の中にケージを設置し、お出かけ時や寝るときはここで、と躾けておけば、環境の変化があっても動物たちもストレスが軽減される。

捕獲されたペットだけではなく、避難所ではどうしてもケージに入れておかなくてはならないことが多い。ケージにはいることそのものをストレスに感じさせないように慣れさせるのも大切だ 写真提供/ミグノンプラン

また、熊本地震の時には避難所で、ノミが大量発生したことが問題になったことも。ノミの駆除はもちろんのこと、複数の動物が集まる場なので予防接種も定期的に行っておくべきだ。

35.5%の人は迷惑に感じても、65%近くの人はペットの受け入れを認めてくれているのだから、こちらも指摘される問題点を改善することで、支持する数値は上げることも可能だと思う。

ペットがいるからこそ、防災訓練に参加しよう!

ペットとの避難についての知ってほしい基本情報をあげたが、大事なのは、他人事ではなく“自分事”にしていくことだ。そのためには、まず何か起きたときに、ペットとともにどのように行動するかをシミュレーションしてほしいと思う。

私の家には、保護している子猫やらうさぎやら、さらにペットの猫もいる。子猫たちは斜めがけのキャリーに、うさぎはそれぞれのキャリーに入れてと、実際に運べるかも試してみた。

一時避難でまずは、家にいるすべての動物と避難。二次避難でケージ、食器、水、フードを自宅から避難所へ運搬。ケージを設置して動物たちの置き場所を確保したら、そのまま徒歩で運営している保護施設に移動して、そちらの動物たちのケアを……、と自分の行動をシミュレートしている。そうはうまくはいかないかもしれないが、練習しておくことは必要だ。

また、地域で防災訓練が行われる場合は、ペットを連れて参加してみてほしい。「ペット参加可」と書いていなくても、ペットを連れての参加者が増えれば、地域でペット数が多いことを自治体にもアピールできる。ペットの避難対策を考えねば! という危機感ももってもらえるかもしれない。

なにより、参加することで自治体に顔見知りができ、意見も言いやすくなる。さらに、ペット参加者同士が知り合いになれば、万が一の際に助けあうこともできる。“積極的に関わる”ということが、自分の意識だけでなく、行政や周囲の意識も変えていく力になる。私はそう信じている。