東日本大震災のときの避難所にて。ペットも家族と考える人は増えているが、避難体制は浸透していない。Photo by Getty Images

「ペットと避難」をあきらめないために知っておくべきこと

ぜひこの手順のシミュレーションを!

広島・岡山・愛媛など西日本を中心に被害が増大した今回の集中豪雨災害では、「ペットと避難」について被災者以外からもSNSに多くの書き込みがあった。

きっと連れて逃げられないからあきらめている」、「救助も避難も迷惑になるから犬といっしょに家にいるだろう」、「人命優先なのもわかるから避難所にはいかないと決めている」……。

2017年12月の調査では1844万6000頭もの犬猫の飼育総数があり、今後も自然災害が予測される日本。果たしてこのままでいいのだろうか? 

動物保護と譲渡活動の新しい形を模索し続け、震災のペット問題にも長年尽力してきた一般社団法人ランコントレ・ミグノンの友森玲子さんが現状と解決策をお伝えする。

 

行政や獣医師会、ボランティアが徐々にサポート

今回、豪雨被害が発生した当初、SNSでは、「ペットOKの避難所がない京都市」「ペットといっしょにだとダメだと言われた」など、ペットとの避難は、困惑、混乱するコメントが多くアップされた。

その後徐々に、避難所を案内するボランティア系のコメントやサイトがなどがアップ。さらに、合わせて行政などの動きも整い始め、12日までで、下記のような動きがあった。

岡山県獣医師会:倉敷市内でペットを無料で預かってくれる動物病院12箇所やペットショップ3箇所がリストアップされた。また、15日には倉敷市真備町地区のペット同行避難所を獣医が巡回し、ペットの健康相談などにも応じた。
広島市災害緊急ペット相談窓口:ホームページ内に開設し、行方不明動物や一時預かりの相談などを受け付けている。

中でも、ペットと暮らしている人たちに賛同されたのは、岡山県総社市だ。あとで詳しく触れるが、“ペットと同伴避難”できる避難所を提供し、真備町の避難者も利用できる体制にしたという。

総社市庁舎内の会議室にできたペット避難所は、エアコンも完備され、飼い主もいっしょに避難できる理想的な避難所だ。SNSでも取り組みを賞賛する声が多く書き込まれた。

ボランティアなどのサポートで次第に補われつつはあるが、ペットとの避難は地域によってかなり格差があるというのが現実のようだ。

ペットと避難できなかった・・・

2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震などで、ペットにまつわる避難がたびたび問題になった。

倒壊家屋に住んでいながらもペットがいるため避難しない人、家にペットだけを置いて餌やりなどで戻る人が、二次災害に見舞われ命を落とされるケースが発生した。また、避難所ではペットと終始いっしょにいられないことで車中生活を選び「エコノミークラス症候群」などの災害関連死も課題として残った。

また、緊急な避難要請や避難所にペットを連れていけないなどの理由から、泣く泣くペットを置き去りにしたり、野に放つケースも少なくなかった。

一度野に放たれたペットは、災害や人へのおびえがあってなかなか捕獲が難しい 写真提供/ミグノンプラン

私自身、福島や熊本と被災地で、動物保護活動などを行ってきたが、一旦、野に放たれてしまった犬猫を捕獲し保護するのは大変だ。災害の恐怖から怯えて、人を怖がる動物をストレスを与えないように捕獲する。捕獲した動物たちは、迷い犬届けを出されているかなど飼い主を捜す作業をまず行う。飼い主がいない場合、その後の譲渡という流れになるが、そこに行き着くまでに、とても時間を要してしまうのだ。

保護した犬猫のうち、飼い主さんに戻せた動物はたったの1割程度。残り9割は「狭い避難先で吠えてしまうため飼えない」、「飼い主が震災によって体調不良になってしまった」、「家族がバラバラに避難していて世話できない」などの理由で飼い主に戻すことなく、譲渡されることになった。また、結局飼い主を探し出せなかったケースも非常に多かったのだ。