元側近らが次々に明かす、ソフトバンク孫正義「知られざる金銭哲学」

日本一のお金持ちの、超意外な金銭感覚
マネー現代編集部 プロフィール

自宅や別荘におカネをかける「本当の理由」

孫氏の「住」への投資はそれだけではない。

神奈川県・箱根町仙石原。日産、キヤノン、コマツなど日本を代表する企業の保養所が並ぶ「保養所銀座」の一角に、敷地面積6000㎡の別荘を購入したことがある。

「もともと長銀(日本長期信用銀行)の保養所だったところを、孫氏が買い取ったんです。値段は2~3億円だったと聞いています。近くには巨人軍元監督の長嶋茂雄氏の別荘もありますが、孫さんの別荘のほうが大きいですよ」(近くの保養所管理人の一人)

門や外壁は和風。敷地外周には石垣の上にベージュの土壁が巡らされ、敷地内には木々が伸びている。別荘は地上2階、地下1階で、延べ床面積は約2300㎡。敷地内には露天風呂まで作られている。

孫氏の別荘は軽井沢にもある。

「出光興産の所有していた土地を孫氏が購入したもので、その額は5~6億円といわれています。別荘建設の際には孫さんの家だとバレないように、S邸と呼んでいた。当初は山を切り崩して別荘を建てようという計画があったのですが、『あまり時間をかけたくない』ということで、平地に作ることになった。設計を担当したのは鹿島建設所属の有名な設計士で、木造平屋建。中には広い和室があるようです」(地元不動産業者)

それにしても、衣食などには驚くほどにカネを使わないのに、自宅や別荘には億単位でポンとカネを出すのはなぜなのか。

「孫さんはお金持ちのたしなみや豪遊などには興味がない一方で、家族を大事にする気持ちは人一倍大きい。さらに、オーナー社長というのは自社株をなかなか売れないので、意外とキャッシュフローがない。そうなると、家族のために残せるのは『現物』となるわけで、家や別荘にカネをかけているのではないでしょうか。

かつては夏になると奥さん、娘さん2人を連れてヨーロッパなどで休暇をとっていましたが、いまはそれもできないでしょう。別荘があれば家族が遊びに行けます」(孫氏をよく知る人物)

 

実際、麻布の豪邸は数年前から孫氏の夫人の所有になっている。

「結局、孫さんの一番の趣味は仕事なんでしょう。ナイフやフォークを使って食べる料理は時間がかかるから、一気にかきこめる中華丼やハンバーガーで済ませる。金持ちをひけらかすためのブランド品選びや贅沢な趣味にかける時間などもってのほか。自らが手がけた仕事を通じて、社会を驚かせたり、社会をよりよくできたと思えた瞬間に何よりの喜びを感じる。それが孫正義なんだと思います」(前出・三木氏)

日本一の金持ちは、日本一忙しく働く男。そして日本一、仕事と家族を愛している男ということなのかもしれない。