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未来のノーベル賞受賞者はこの中にいる…「日本の知性」30人

全員60歳以下

楽天が支援するがん研究

京都大学教授・山中伸弥氏(55歳)がヒトのiPS細胞を作ることに成功したと発表してから、10年以上の月日が経った。山中氏に続いて、ノーベル賞を取ってもおかしくない60歳以下の研究者は日本にはいくらでもいる。

彼らの発見・開発が今後の日本を大きく変える。そんなインフルエンサーでもある研究者をページ末の表にまとめた。なかでも注目の学者を紹介していく。

医学分野に詳しいジャーナリスト・塚﨑朝子氏は、筑波大学教授の柳沢正史氏(58歳)を推す。

「なぜ眠くなるのか、というメカニズムがいまだよく分かってない。柳沢先生はそれを丹念に調べて、タンパク質の働きが誘発することで眠気が起きることを科学誌『ネイチャー』に発表しました。

これが医療に結びつくまでにはまだ時間がかかると思いますが、睡眠は人間の人生の3分の1を占める重要な要素。その謎を解き明かしつつあることは評価されるべきです」

ノーベル物理学賞の候補として、毎年その名が挙がるのが、東京大学教授・香取秀俊氏(53歳)だ。同氏は、「究極の時計」の開発者。それが、300億年に1秒もズレない「光格子時計」である。サイエンスジャーナリスト・緑慎也氏が言う。

「光格子時計は様々な分野で実用化される可能性があります。たとえば地震予知です。地震は、発生前に地殻変動を起こし、そのことで重力が変わります。それによるわずかな時間の進み方の変化を検出すれば、地震予知につながるかもしれません」

 

医療分野では、米国立がん研究所主任研究員の小林久隆氏(56歳)は、近い将来にがん治療に革命をもたらすことになる。

前出の塚原氏が小林氏の研究を解説する。

「小林先生は『光免疫療法』を開発しました。この治療法は、まず、がん細胞の表面にある突起物だけに結合する抗体を注射する。ここに近赤外線を当てると、化学反応が起きてがん細胞だけが破壊される仕組みです。

この治療法には楽天の三木谷浩史会長も期待しており、楽天は米国で治験を実施している会社に出資しています。今年3月には日本の国立がん研究センター東病院でも治験が開始されました」

実績十分の50代の次に、これからブレイクスルーが期待されている気鋭の研究者を取り上げよう。サイエンスライター・佐藤健太郎氏が言う。

「世界屈指の製薬企業・ノバルティス社で画期的な肺がんの治療薬を開発するなど研究者として活躍した舛屋圭一氏(49歳)が、'14年に東大発のバイオベンチャー企業である『ペプチドリーム』に移籍。

同社の独自技術である特殊ペプチドを使った創薬ビジネスの立て役者になっています。舛屋氏は科学とビジネスの双方に目配りができ、これからの医薬品業界におけるキーパーソンの一人です」