8月13日 日本住血吸虫の発見が官報で発表される(1904年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

岡山医学専門学校(現在の岡山大学医学部)の病理医、桂田富士郎によって、日本住血吸虫が発見され、この日官報で発表されました。

日本住血吸虫は、住血吸虫属の哺乳類の門脈内に寄生する寄生虫の一種です。最終宿主の糞便に混入した卵が、排水路などから田や用水路に入り、中間宿主であるミヤイリガイを経て、幼体(セルカリア)として再び淡水中に遊泳します。ヒト、ネコ、イヌ、ウシなどのほ乳類が水中に入ると、その時に幼体が皮膚から侵入し、最終宿主とします。侵入した幼体は、宿主の赤血球を食べながら、血管を通って肝臓の門脈付近に定着、そこで成虫となります。

ヒトに幼体が侵入すると、その際に皮膚炎(セルカリア症)をおこします。やがて肝臓に定着すると肝脾腫、門脈圧亢進、腹水、 食道静脈瘤などをおこし、そこから出血をきたします。また、成虫の生んだ卵が塞栓をおこし、脳圧亢進など生命にかかわる状態になることもあります。

かつて、日本住血吸虫症は、風土病として恐れられ、流行地では地域差別的な状態になるなど、深刻な社会問題となっていました。そのため、撲滅への第一歩となる原虫の発見は、大変重要な発見でした。

現在では、いずれの流行地でも終息宣言が出され、日本国内では撲滅できたとされています。

【写真】日本住血吸虫の虫卵日本住血吸虫の虫卵 photo by gettyimages
【図】日本住血吸虫の生活環日本住血吸虫の生活環
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なお、中間宿主であるミヤイリガイは、日本住血吸虫症撲滅のため、衛生害虫として駆除され、現在では絶滅危惧種としてレッドリストにのっているそうです。

衛生環境と自然環境の両立、非常に難しい問題ですね。