吉岡里帆主演ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』原作者に聞く

生活保護をマンガで描くということ
大西 連 プロフィール

ドラマ化にあたって期待すること

――最後に、率直にドラマ化にあたって期待することは何でしょうか?

昨秋にドラマ化の話が来ました。原作に対する熱い思いを感じたので、こちらからは①間違った情報を描かないよう監修をつけてほしい、②視聴者の偏見を助長するような表現はしないでほしい、という2点を条件にOKしました。

もちろん、原作マンガとドラマは作品としては別のもの。自分の表現、ドラマの表現、それぞれがあると思いますし、原作者としてはそれを尊重したいと思います。

そして、貧困という社会問題について、視聴者に問題提起というかボールを投げるような内容になることを期待しています。

心配なのは、生活保護の対象者がどう観るのかということですね。

リアルな生活保護の現場では、ケースワーカーとのやりとりやコミュニケーションで傷ついたりつらい思いをしたりしている人もいる。ドラマでケースワーカーがあまりに美しく描かれすぎると、現実とのギャップがうまれる可能性もあります。

新人ケースワーカーは本人に悪気がなくても間違うこともある。知識がないなかで現場に放り込まれるわけですから、完全無欠な困窮者がいないように完全無欠なケースワーカーもいないのです。

ドラマをみて、ケースワーカーになりたいという若い人が増えたり、生活保護の制度やあり方について多くの人が知ったり考えたりすることに期待したいです。

私自身も一視聴者としてこのドラマを毎週楽しみにしたいと思います。

 
柏木ハルコ
1995年『いぬ』(「週刊ヤングサンデー」)でデビュー。同誌で『よいこの星』や2008年に映画化された『ブラブラバンバン』などを手がけたのち、『花園メリーゴーランド』『鬼虫』『地平線でダンス』など「週刊ビッグコミックスピリッツ」で数々の作品を執筆。現在、『健康で文化的な最低限度の生活』連載中。