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年収が高い人、のほうが年金問題には注意が必要だった

いまから、備えておくべきだ

前回のマネーシフトでは、公的年金の財政状況について解説した。日本の年金は制度上、破綻することはないが、財政は慢性的な赤字となっており、今後、年金の減額や支給開始年齢の引き下げは必須の状況となっている。

今回は、具体的にどのくらいの年金がもらえるのか、国民年金と厚生年金で、給付額や支払額がどう変わるのかなどについて解説していく。

(この記事は、連載「寿命100年時代のマネーシフト」の第13回です。前回までの連載はこちらから)

 

まずは年金の種類を確認する

日本の公的年金は、主に2つの制度で構成されている。ひとつは全国民に共通した年金である国民年金、もうひとつは企業に勤めるサラリーマンが加入する厚生年金である。厚生年金の加入者は、国民年金にプラスして厚生年金を受給できるが、その分だけ、保険料の支払額も多くなる。

一方、厚生年金は支払う保険料の半額を企業が負担するという仕組みになっており、自分が支払う保険料の半分を会社に肩代わりしてもらえる。サラリーマンの場合には厚生年金しか選択肢がないが、自営の人は、国民年金にするのか法人化して厚生年金にするのかという選択肢が出てくる。起業などで会社を設立する人もいるが、どの制度がよいのかについては総合的な考察が必要となる。

では具体的に公的年金というのは、どのくらいの金額をもらえるものなのだろうか。

年金給付額の算定基準は国民年金と厚生年金では大きく異なっている。国民年金は全員共通で年間の給付額が固定されている。給付額は物価水準などを考慮して改定されるが、現時点では年間約78万円となっており、月額にすると約6万5000円である。

ただしこの金額は20歳から60歳までの40年間の全期間、保険料を納めたことが条件となる。未納の期間が長かった場合には、その分だけ減額されていくので注意が必要だ(受給資格を得るためには10年以上の納付期間が必要)。

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一方、厚生年金は現役時代にいくらの収入があったのかで給付額が変わってくる。給付額の算定基準となる年収の定義が2003年から変更になるなど、正確な金額を算出するのは少々面倒だが、例えば、現役時代の平均年収がおおよそ600万円だった場合には、厚生年金の給付額は年間約158万円となる(現在55歳の人を想定。年収は新卒時も含めて、すべての雇用期間における平均である点に注意)。月額にすると約13万円ちょっとである。

自営業者など国民年金だけの人の場合、月に受け取れる年金額は6万5000円しかないので、これだけで生活するのは事実上、困難である。厚生年金の場合には6万5000円に13万円がプラスされるので19万5000円がもらえる。十分とはいえないが、何とかなる金額といってよいだろう。