裏口入学・天下りが横行する文科省にいまこそ突きつけたい「解体論」

権限強化しか考えていないのか

裏口入学は犯罪か、と問われれば…

自分の子供を大学に合格させてもらう見返りに、文部科学省の支援事業の対象校とするよう取りはからったとして、東京地検特捜部は4日、受託収賄容疑で文科省科学技術・学術政策局長、佐野太容疑者を逮捕した。

一般の人の感覚では、裏口入学は「ケシカラン」と怒ってしかるべしである。ただ、実は裏口入学が「違法」かという難しい問題がある。一般論であるが、国公立大学であれば、裏口入学の要請を受けた人が公務員(正確にはみなし公務員)となるので、収賄罪となる。

だが、私立の場合には、微妙である。もし少数の学校関係者が学校に無断で報酬を受けていた場合、背任罪になるかもしれないが、正規の手続きで、例えば寄付金を余計に出してもらうことで合格させた場合には、罪に問えないだろう。

 

今回の場合、佐野容疑者が息子を入学させたのは私立大学であるが、支援事業の対象校として補助金を交付する見返りとして、子どもの合格という「利益」を得ていたという構図から、佐野容疑者は収賄罪で逮捕されている。受ける「利益」が裏口入学だったというだけだ。

収賄罪は、公務員を対象とする身分犯である。もし、文科省局長ではなく一般私人が「寄付金を多く出すから、合格させてくれ」という場合、犯罪にはならなかっただろう。この意味で、今回は裏口入学の問題ではなく、公務員の持つ権限を自分の利益に使ったということが問題であるので、すなわちこれは「公務員問題」である。

なお、裏口入学というと不正な行為に思われるが、私立大学のみならず国立大学でも一般入試による合格者は低下傾向で、推薦入試やAO入試などという一般入試とは違った入試方法が定着しており、入試=学力試験、ではなくなっている。これらは学力試験とは違った基準が設けられた試験であり、穿った見方をすれば、合法化・定型化された「裏口入学」という側面がないとは言えないのだ。

いずれにしても、今回の佐野容疑者が逮捕された一件は「公務員問題」であることを指摘しておきたいが、この問題の背景には、文科省の官僚が大学に強い影響力を持っていたことがある。その結果として、賄賂問題と天下り問題がある。両者の根は一つなのだ。

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