日本人が気づいていない、米中貿易戦争「これから本当に起きること」

完全に言いがかりであり「難癖」だが…
唐鎌 大輔 プロフィール

「親・中国」ドイツの動きに要注目!

いや、そもそもトランプ大統領でなくとも米国が中国を見る目は猜疑心に満ちている。

基本的には安全保障や技術競争といった側面から警戒の対象だとすれば、保護主義の先鋭化は当分、不可逆的なものかもしれない。

先週3日はトランプ大統領が世界貿易機関(WTO)脱退の可能性を示唆したことが話題になった。近い将来の話ではなく、米議会も絡むため容易な話ではないが、そのような動きが実現すれば一政権だけの話には止まらなくなる。

少なくとも「貿易戦争など至るはずがない。全てブラフ(はったり)だ」という従前の観測は今のところ外れていると言って良いだろう(実際に課税され始めているのだから実害は出ている)。

ちなみに、7月3日には、王毅外相を含む中国高官が7月16~17日にかけて開催される中国・EU首脳会議を前に、米国の先鋭化する保護主義に対して力強い共同声明を採択するように圧力を掛けたという事実が報じられた。

EUとて領海問題などで中国との間に差異を抱えていることから、簡単に応じる構えを公式には見せていないが、トランプ政権と対峙するにあたって何とかしなければならないという気持ちは中国と同じだろう。

親・中国で鳴らすドイツが主導してEUが中国になびくような展開は今後十二分に考えられ、仮にそのようなことになればブラフどころかもはや貿易世界大戦である。

 

日本への影響は?

ところで日本への影響はどう考えるべきか。

世界3位の対米貿易黒字を稼ぎ、その8割を自動車で稼ぐ以上、日本も大いに貿易世界大戦の当事者になり得る国である。

現時点で目立った衝突はないが、今月下旬にはいよいよワシントンで新たな2国間交渉のプラットフォームが動き出す。これが日米FTA交渉を意図したものであることは間違いなく、そこで槍玉に上がるのは日本の対米自動車輸出と考えるのが自然だろう。