撮影:立木義浩
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京都・寂庵で96歳の瀬戸内寂聴さんとスランジバー!

タリスカー・ゴールデンアワー第16回(前編)

提供:MHD

瀬戸内寂聴先生とわたしだけの秘密を明かそう。それは80歳で入寂した今東光大僧正の一周忌が上野寛永寺で行なわれたときのことだった。

晩年の大僧正にいちばん可愛がられていたわたしが世話役を務めることになった。大僧正に縁のある200名近い人が集まり、境内には三越から模擬店を出してもらって、法要は盛大に執り行われた。

会費は5000円にしてくださいという未亡人の提案に従ったのだが、結果86万円の赤字を出してしまった。まさか未亡人に請求するわけにもいかないので、当時の集英社の若菜常務に泣きついた。常務は快く引き受けてくれた。

しばらくして瀬戸内先生に呼び出された。

「シマジさん、安い会費でよくあんなに豪勢に出来ましたね」
「じつは80万円ちょっと赤字になってしまい、若菜常務に頼んで一件落着しました」
「それはいけません。3回忌から足りない分は弟子のわたしが出しましょう。ですから同じ会費でおやりなさい」

そんなわけで3回忌、7回忌、17回忌と寂聴先生に甘えることになった。寂聴先生はいつも新札で100万円が入った封筒を渡してくれた。法要が終了し会費と合わせて現金で清算して20万円近いお釣りと領収書を渡そうとすると、先生は笑ってこう言った。

「領収書もお釣りもいりません。一緒にお手伝いしてくれた若い編集者たちを慰労してください。きっと今東光先生も冥途で喜んでいますよ。それにしてもシマジさん、俗人が僧籍の者からお布施をもらうなんて、あなただけですよ」

わたしはそのことをいまでも感謝してやまない。

今回、久しぶりに京都の寂庵を訪れた。迎えてくれたのは御年96歳の瀬戸内寂聴先生と、いまやすっかり有名人になった美人秘書の瀬尾まなほさんである。すでにテーブルにはタリスカー10年が用意されていた。

(構成:島地勝彦、撮影:立木義浩)

* * *

シマジ: 瀬戸内先生、お久しぶりです。ますますお元気そうですね。

寂聴: シマジさんこそ会うたびに若返っているんじゃないの。

シマジ: ありがとうございます。こちらが相棒のボブです。

ボブ: タリスカーのアンバサダーをしていますボブです。本日はお目にかかれて光栄です。

寂聴: わたしを含めうちの3人の女の子たちよりあなたの方が日本語がお上手ですね。立木さん、お久しぶりね。おたがい実家が近所だったので、立木さんはこんな小さいころから知ってるのよ。あなたのお母様は素敵な人だったわね。ミセス徳島で、とてもきれいな人だったの。

立木: その話は今日はなしでお願いします。母親の話を聞いたら、緊張して写真が撮れなくなってしまいます。わたしも気がついたら80歳になってしまいました。

シマジ: こちらが編集担当のヒノです。

ヒノ: 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

寂聴: うちの瀬尾はわたし以上にこのタリスカーを大好きなんですよ。

瀬尾: そうなんです。以前、シマジさんに作っていただいてからすっかりハマってしまいまして、タリスカースパイシーハイボールは毎日飲んでいます。食事が進みますよね。

ボブ: ありがとうございます。ではさっそくお作りしますね。

立木: じゃあ最初に瀬戸内先生を囲むようにして4人で撮影しましょう。美しい庭をバックに、そこの縁側に並んでくれますか。

ボブ: ではグラスを高く上げて「スランジバー!」と乾杯しましょう。

一同: スランジバー!

寂聴: やっぱり美味しいわね。今日は暑いからなおさら美味しく感じるわ。

シマジ: タリスカーもさることながら、ピートで燻製された黒胡椒がよくマッチングしているでしょう。

寂聴: そう、この黒胡椒がすぐなくなってしまうのよ。

ボブ: いつでもお電話ください。特急でお送りいたします。

寂聴: どうしてボブさんはそんなに日本語がお上手なの?

ボブ: じつはわたし、高校生のころから日本にいるんです。いずれは日本国籍を取りたいと思っています。

寂聴: ああ、そうなの。奥さんは日本人?

ボブ: はい、そうです。

寂聴: それじゃ、国籍を取るのは簡単でしょう。

ボブ: まあ、いろいろ厳しい決まりがありまして、例えば交通違反1つで5年間待たなくてはいけなかったり、駐車違反で切符を切られると、またちょっと待たなくてはいけなかったり…。それ以外のルールはちゃんと守っていますけどね。

シマジ: いまわたしは毎週末、伊勢丹サロン・ド・シマジのバーに立っているんですが、よく悩みを持った方がやってくるんですよ。わたしには瀬戸内先生ほどの法力がありませんので、そんなときは上野寛永寺の今東光大僧正のお墓参りを薦めています。

寂聴: あのお墓はきれいだものね。今先生が自らデザインされたんですよね。

シマジ: 「あそこは法力がみなぎっているから、大きな声で3度祈りなさい」と言っています。そうしたら、赤ちゃんが出来なくて苦しんでいた夫婦が1年後に子どもを授かったり、舌癌になって絶望していた若者が半年もしないうちに完治して、またバーにやってきてウイスキーを飲めるようになったり、いろいろ不思議なことが起きています。

わたしもとときどきお参りしますけど、いろんな人が来てくれるおかげで、いつ行ってもお墓に花が咲き乱れているんですよ。これはせめてもの大僧正への恩返しだと思っています。

寂聴: 今先生は本当にいい方でしたよね。

シマジ: 底抜けに明るかったですね。

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