メリット3  優秀な上位2割の部下をケアできる

1on1ミーティングでは、頻繁にキャリアの志向性やチャレンジしたいことについて話をします。ですから、タイムリーに異動希望を聞けたり、十分準備した上での配置転換が可能です。特に優秀な部下については、同じ業務を行っていると飽きが出てくるので、それを未然に防ぐことができます。もし1on1を実施していないとどうなるでしょうか?

一般に「2:6:2の法則」と呼ばれるものがあります。組織の中で上位2割は自発的にやる気を持って働き、中間6割はそれに引っ張られてやる気を出し、残りの2割はあまり働かないということが起こります。

マネジャーはこの組織のどの層に自分の時間をかけているでしょうか? 通常企業でよく見受けられるのが、上位2割は自立して手がかからないので「放置」してしまう。下位2割は手間がかかるので、手厚くマネジメントの時間を取ってしまうという事態です。上位2割は、変に邪魔されず自分のやり方で自由にできることで成果を上げるかもしれません。

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しかし、優秀層を放置するのには、いくつか懸念があります。

1つ目は優秀層の業務プロセスが部門の方針と合致しているのか? ということです。結果が出ていると安心しがちですが、プロセス(やり方)にこそ組織の方針や価値観が反映されますので擦り合わせは必須です。

2つ目は、部下が飽きてしまっていないか? ということです。優秀が故に、目標や課題が簡単すぎてしまうと、やりがいがなくなってしまうからです。

そして3つ目は、上司への不信です。通常上司側は優秀層に「信頼」があるので干渉しません。業務は進めやすいのですが、もし承認欲求が強い部下であるならば、そこにフィードバックがもらえないと満たされない思いが募ります。また、承認欲求があまりない自立した部下であるならば、上司の存在自体に疑問を覚えるかもしれません。

では、優秀な部下にはどのようなことに注意して接すればよいのでしょう? 基本的には「今後やりたいことの把握」と「全社視点を持ってもらうこと」です。具体的には、以下のようなことです。

・今の業務と今後のキャリアへのリンクづけを行う
・新しい役割の模索をお互いに話し合う
・上司側からの報連相の徹底を行って、全社課題の共有を行う
・適切なタイミングで飽きや慢心を捉えて、環境や目標を変えていく

優秀な人ほど実は構ってほしいものなのです。仕事のやり方には口を挟んでほしくはないが(委任でよい)、承認が欲しい人もいれば、刺激的な業務を提示してもらいたい人もいるのです。

だから、優秀な上位2割の人ほど関わらなければなりません。関わらない「不干渉」 をしていると優秀な部下は上司からの言葉に「不感症」になっていきます。そうさせ ない場が1on1ミーティングなのです。