石原さとみ主演作は裏切らない!今年の「夏ドラマ」を一気読み

『この世界の片隅に』も期待大
堀井 憲一郎 プロフィール

映画→ドラマの2作品に期待

このクール、力が入ってそうなのは、まず、TBSの2作。

『チアダン』(金曜22時)

『この世界の片隅に』(日曜21時)

考えてみればどちらも映画になってそこそこ成果を出した作品である。『この世界の片隅に』のほうはアニメ映画だけれど。それが実写になるのでかなり期待している。松本穂香が主演というのもいい。

アニメでは、のん、が声を当てていて、その声と、松本穂香はたしかに近い感じがする(朝ドラで、何だか似たような訛り具合を発していた二人だから、ということでもある。『あまちゃん』のあまちゃんと、『ひよっこ』の主人公と同寮の娘)。

この作品は、戦争中の広島の話であり、夏の、終戦の季節にあてたのだろう。

余談ながら、戦争中に大人だった人たちは、あまり戦争中のリアルな話を見たがらない。終戦時に20歳だった私の母などはそれで、戦争中の話をテレビでやっていると、「ほかのに変えて」といまでも言う。戦争の情報の「身体性」は、当事者たちにとって蘇らせたくない情報のようなのだ。

このドラマは、おそらく当事者たちは直視したくないシーンを描いてくれるんではないか、とそういうポイントでも期待している。

『チアダン』はかなり正当的な学園スポーツ物語である。トップを目指す高校生たちの物語だ。夏の暑い盛りに見るのがぴったり。

あまりぶれずにベタな展開を見せてくれれば、みんなきちんと付いていくとおもう。

夏のドラマラインナップを見て、私が期待したのはこの2本である。

 

石原さとみ主演作は裏切らない

もうひとつ、主演を見て期待するのは、石原さとみ『高嶺の花』、日テレ系水曜22時。

ここ数年ドラマを見続けていて、石原さとみの主演ドラマがつまらなかったことはない。何というか、彼女の選ぶものは間違っていない、という信頼性だ。少なくとも石原さとみが好きなら、見ていて裏切られることがない。だから、このドラマも大丈夫だとおもっている。

恋愛ドラマで、相手が峯田和伸で(申し訳ないが『ひよっこ』のおじさん、と紹介するしか言葉を持っていない)脚本が野島伸司である。なかなか一筋縄ではいかなそうなメンバーで期待してしまう。

主演二人の、コミカルさが加わるなら、そこそこの人気が出るとおもう。

さて、残りのドラマは。

『健康で文化的な最低限度の生活』(フジ火曜21時)は、柏木ハルコの原作漫画を読んでいるから、その世界観はある程度、想像できる。吉岡里帆の主演がいい。市役所勤めを始めた新人が「生活保護」の現場に配置され、生活保護を受ける人たちと接する物語。

刑事物と同じで、特殊な人々に仕事として出会っていく話で、刑事物の変型だと見なしていいだろう。犯罪は起こらないけど、おそらく奇妙な事件がいろいろ起こるはずだ。刑事者でいえば、犯人役にあたる「生活保護に関わる人たち」、彼らのキャラクターによって、話題になる可能性がある。